夕刊
第133期
トレーディア新聞社
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トレーディア
新聞THE TREDIA SHIMBUN
トレーディア暦2年10月第1週
秋季
本日13面
主な記事 黒潮の首都が陥落 ネルヴェナへ400人 クジラといのら 教団へ223,200人 泰平とアルガ開戦 火災37,000人 雪は9区画
総合黒潮の首都1

黒潮、ついに首都陥落 
カペレナ軍、評議会の都を占領

潮見議長、陥落した臨時首都から脱出 無人のネルヴェナへ400人移住命令

雨の首都の門に立つ王国の兵
雨の黒潮の旧首都(16,12)。門の前にカペレナ王国の兵が立ち、都市は王国領になった。都市には10,800人が暮らしている。

カペレナ王国軍は第133期、黒潮自治国の首都(16,12)を占領した。第129期、潮見玄吾議長が首都にとどまって徹底抗戦すると宣言して以来続いてきた都の攻防は、ついに王国軍の占領という結果を迎えた。議長は陥落した臨時首都から脱出した。首都の市街にはなお10,800人が暮らすが、黒潮の人口は前期12,900人から今期2,200人に減少。残る黒潮の住民はフィルノア1,800人、ネルヴェナ400人となった。

政府は同じ期、前期の艦砲射撃で最後の100人が死亡したネルヴェナに400人を移住させた。潮見議長は「ネルヴェナをいつまでも無人のままにしておくわけにはいかない」と移住の必要を訴えたが、フィルノアでは「まだ家も壊れたままじゃないか」「また砲撃されたらどうするんだ」と不安と批判が相次いでいる。

首都の旗、ついに降ろされる

雨の黒潮首都。評議会へ続く通りには、カペレナ王国軍の兵士が立っていた。かつて黒潮政府が掲げた旗はなく、門前の歩哨も王国の軍服を着ている。住民は建物を見上げ、足早に通りを過ぎていった。

第129期、王国は黒潮指導部が首都を放棄したと主張した。潮見議長はこれに反論し、評議会前で「私はここにいる。評議会も首都を離れていない。失った土地は必ず取り戻す」と演説した。

第130期には首都を守る黒潮軍の歩兵一部隊が王国軍との交戦で消滅。第131期には王国が北部の8割制圧を唱え、第132期には兵站基地を失った。それでも黒潮の旗は首都にあった。第133期、ついにその旗が降ろされた。潮見議長は王国軍の占領を前に臨時首都を脱出した。第129期の首都死守の誓いから4期、議長自身も都を去ることになった。

首都の10,800人、王国の支配下に

議長は脱出したが、首都の建物と住民は残った。10,800人が暮らす都市は今期からカペレナ王国領となる。通りの商人や家族にとって、支配する国が変わることは配給や商取引、暮らしの先行きに直結する問題だ。新たな行政を担う王国の対応が問われる。

無人のネルヴェナへ400人 政府が移住を命じる

ネルヴェナは第132期、カペレナ艦隊による艦砲射撃で最後の100人が死亡し、人口0となった。潮見議長は犠牲者を「ネルヴェナ百烈士」と呼んで顕彰した。それからわずか1期、同じ村に400人が移住することになった。

潮見議長は移住の理由について「ネルヴェナをいつまでも無人のままにしておくわけにはいかない。家も土地も残っている。人が住まなければ、町は荒れていくばかりだ。厳しい状況なのは承知しているが、もう一度暮らせる町にしていきたい」と述べ、400人の移住を進める方針を示した。一方、村は今も敵艦の砲撃が届く沿岸にある。家屋の修繕や避難の手だてが整わないまま、移住先で暮らし始める人々の不安は大きい。

荷物は鍋と毛布 移住者の厳しい現実

ネルヴェナへ着いた人々の荷物は少なかった。鍋、毛布、衣類、子どもの靴。雨の中、住民は壊れた家屋の前に並び、役人による住居の割り当てを待った。屋根の落ちた家もあり、商店の戸は閉ざされたままだ。

「ここ、先週まで誰もいなかったんでしょう。家だってこんなになってるし……」。毛布を抱えた女性は屋根を見上げた。「また艦砲が飛んできたらどうするんですか。逃げろって言われても、どこへ逃げればいいのか」

小さな子を連れた男性は、割り当てられた家をのぞいて言った。「ここに住めと言われたから来たけど、せめて屋根くらい直しておいてほしかったよ」。役人は名簿を読み上げ、次の家族を案内した。前期の砲撃を知る移住者たちは、港の方角を何度も振り返っていた。

フィルノアで政府批判広がる 「今度はうちの番か」

人口1,800人のフィルノアでは、首都陥落と移住政策に不安が広がっている。街は第128・129・131期に繰り返し艦砲射撃を受けた。今期は砲撃を免れたが、港の人々に安堵の色は薄い。

「ネルヴェナにまた人を住まわせるんだって? まだ家も壊れたままじゃないか」。岸壁で荷をまとめていた女性は手を止めた。「この前、あそこにいた人たちがみんな亡くなったばかりでしょう。それなのにもう別の人を連れていくなんて。せめて危なくないようにしてからにしてほしいよ」

「首都まで取られたんだろう。次はこっちが危ないんじゃないかって、みんな話してるよ。なのに政府は、ネルヴェナに人を送るんだってさ」。配給の列の男性は声を落とした。近くの住民は「移るのが嫌だって言ったら、どうなるんだろうね。うちにも小さい子がいるんだけど」と漏らした。

第129期、潮見議長の徹底抗戦演説には配給の遅れや戦争拡大を責める怒号も飛んだ。首都を失った今、住民の不満は家族をどこで安全に暮らさせるのかという切実な問いとなっている。

王国、南部戦線突破を宣言

カペレナ王国は「王国軍は黒潮臨時首都に突入南部戦線遂に突破し計画都市目前に迫る」と発表した。首都は王国領となったが、現代都市フィルノアは依然として黒潮が保持している。今期の陸上戦果は双方1,800人。黒潮の兵站基地も王国領となり、予備兵1,000人が投降した。陸戦の詳報は2面。

泰平とアルガ、戦い始まる

泰平天国とアルガリスト帝国の戦いが第133期に始まった。戦果は泰平6,600人、アルガ2,300人。3面。

なのです、南北で怪獣被害

なのです主義人民共和国の南の港をクジラ、北西の町をいのらが踏み荒らし、港と町は壊れた。両怪獣は今期末も現地にとどまっている。4面。

青海から教団へ223,200人が移住

青海共和国から狐っ娘の尻尾教団へ、仕事を求める223,200人が到着した。教団は繁栄賞、青海は災難賞を受賞した。5面。

本紙社説 町を戻すなら、まず暮らしを守れ

黒潮自治国が長く恐れてきた首都陥落が現実となった。第129期、潮見玄吾議長は「私はここにいる」と首都にとどまる決意を示した。だが今期、王国軍が臨時首都を占領し、議長自身も都を脱出した。同じ期、政府は前期の砲撃で無人となったネルヴェナへ400人を移住させた。

ネルヴェナを無人のままにしておけないという議長の説明には理由がある。人が戻らなければ、家も畑も傷む。しかし前期まで艦砲が降り注いだ村に、住民の意思を顧みず人を送る政策を本紙は批判する。町を再び人の住める場所にするなら、まず安全と生活を立て直すべきだ。

本紙は前号の社説で「100人の死を悼むなら、次の100人を守れ」と訴えた。今期、その問いはさらに重くなった。ネルヴェナで新たな暮らしを始めた400人に、避難路、食料、住まい、医療、そして自ら住む場所を選べる自由が必要だ。

議長は首都から逃れたが、そこに暮らす10,800人は王国の支配下に残された。黒潮領の人口は2,200人となった。潮見議長が取り戻すと誓ったのは土地だけか。国民が安心して帰れる暮らしを取り戻すのでなければ、どれだけ旗を掲げても失地回復とは呼べまい。空き家を埋めることを急ぐあまり、そこで暮らす400人を次の犠牲者にしてはならない。

戦況黒潮戦線2

カペレナ、黒潮首都を攻略
守備線破られ、兵站基地も失う

両軍の戦果は各1,800人 首都守備隊は第130期から消耗 潮見議長は都を脱出

カペレナと黒潮の戦場
カペレナ王国と黒潮自治国の戦場。農場は平地になり、ネルヴェナには人が戻っている。首都(16,12)は図の西側に位置する。

カペレナ王国軍が第133期、黒潮自治国の臨時首都(16,12)を占領した。第129期以来、王国軍の攻撃を受けながら黒潮が保持してきた都が、ついに敵の手に落ちた。潮見玄吾議長は王国軍の占領を前に首都を脱出した。

今期の両軍の戦果は各1,800人。黒潮軍も応戦したが、王国は首都に加え、兵站基地を占領した。補充用の予備兵1,000人も王国側へ渡り、中立だった山も王国領となった。黒潮軍の総兵力は59,000人、カペレナ王国軍は145,500人。首都と補給拠点を失った黒潮は、残るフィルノアなどの守備を迫られている。

首都攻防、第129期から続く激戦に決着

第129期、カペレナ軍の北部攻撃隊が首都を守る黒潮軍歩兵部隊を攻撃し、周辺の森でも交戦した。王国政府は黒潮指導部が首都を放棄したと主張したが、潮見議長は評議会前で「私はここにいる。評議会も首都を離れていない。失った土地は必ず取り戻す」と演説。黒潮軍は首都を保持して抵抗を続けた。

しかし第130期、首都防衛に当たる歩兵一部隊が交戦で消滅。第131期には王国が北部の8割制圧を宣言し、第132期には黒潮が兵站基地と予備兵1,000人を失った。そして今期、臨時首都も王国領となった。度重なる守備隊の消耗と補給拠点の喪失が、黒潮の首都防衛を苦しいものにしていた。

山岳兵と歩兵、激しく交戦 双方1,800人の戦果

王国軍の山岳兵は黒潮軍歩兵に700人の戦果を上げ、反撃で300人を失った。別の地点では黒潮軍歩兵が王国軍歩兵に700人の戦果を上げ、反撃で王国軍も700人の戦果を上げた。さらに別の黒潮軍歩兵が王国軍山岳兵に800人の戦果を上げ、反撃で400人を失った。

今期の戦果は両軍とも1,800人。累計はカペレナ王国146,700人、黒潮自治国97,300人となった。黒潮軍は兵力で劣りながらも応戦を続けたが、首都と兵站基地を守ることはできなかった。

兵站基地再び陥落 予備兵1,000人が投降

王国軍が占領した兵站基地では予備兵1,000人が投降し、カペレナ側に下った。第132期にも黒潮は別の兵站基地と予備兵1,000人を失っている。2期で合計2,000人の予備兵が相手側へ移った。

「人を失っても、補充が来ればまだ戦える。だが、その補充が来なくなったら、どうすればいいんだ」。交代を待つ黒潮兵は、基地の陥落を聞いてそう漏らした。前線の損耗を埋める人員と拠点を相次いで失うことは、今後の部隊再建に響く。王国軍は中立だった山も領有し、黒潮への圧力を強めた。

巡洋艦、沿岸農場を破壊 食料生産にも打撃

カペレナ王国の巡洋艦は黒潮領の農場へ艦砲射撃を加えた。砲撃を受けた農場は規模10から5へ、さらに5から0となり、農場としての機能を失った。跡地は平地になった。

黒潮の食料備蓄は前期833,900トンから今期805,700トンへ減少。首都と兵站基地を失ったうえ、食料を生産する農場も一つ失われた。今後の食料確保にも影を落とす。

フィルノア、市街への直撃免れる

カペレナ王国の戦艦は今期も現代都市フィルノアへ艦砲を向けたが、人口は1,800人、領有は黒潮のまま。フィルノアでは第128・129期に各200人、第131期に400人が艦砲射撃で死亡している。

第132期には隣のネルヴェナで最後の住民100人が艦砲に倒れた。今期、ネルヴェナの防衛施設に命中した砲弾は累計2発となったが、施設は残っている。首都を失った黒潮の沿岸拠点には、なお王国艦隊の砲口が向いている。

領土17区画、兵力59,000人 劣勢いっそう深刻

黒潮の領地は前期18区画から17区画へ減少。王国は92区画から95区画へ拡大した。黒潮軍の兵力は59,600人から59,000人へ減り、王国軍は145,300人から145,500人へ増えた。兵力差は86,500人に達する。

潮見議長は臨時首都を脱出した。失われた首都と兵站基地に代わる指揮と補給の体制をどこで築くのか。残る領地を守る黒潮軍には立て直しが迫っている。

戦況論説 戦果は互角、しかし首都は失われた

両軍の戦果は各1,800人。戦果だけを比べれば今期の陸戦は互角だった。だが、地図に残った結果は互角ではない。カペレナ王国は黒潮の臨時首都を占領し、兵站基地も奪った。黒潮軍は反撃を続けながら、首都を守り抜くことができなかった。

首都の守備態勢は今期、突然崩れたものではない。第130期には首都防衛の歩兵一部隊を失い、その後も兵站基地が相次いで王国領となった。兵を補う拠点の喪失は、長期の防衛に重くのしかかる。

潮見玄吾議長は第129期、「私はここにいる」と徹底抗戦を誓った。いま議長は陥落した臨時首都を脱出し、旧都の門には王国軍が立つ。指導部が逃れたとしても、首都と兵站基地が失われた事実は動かない。

黒潮軍の兵力は59,000人、王国軍は145,500人。その差は86,500人に達した。フィルノアはなお黒潮領にあるが、今期も王国戦艦の砲口が向けられた。兵の勇敢さだけでは戦いは続けられない。残る補給路をどう守り、兵力をどう補い、都市をどう防衛するのか。首都を失った指導部には、次の戦いへの具体的な方策が求められる。

今期の戦果
今期これまでの戦果
カペレナ1,800人146,700人
黒潮1,800人97,300人
領有・兵力・物資
首都カペレナ領
兵站基地カペレナ領
予備兵1,000人投降
農場消失
フィルノア黒潮が保持
黒潮の領地17区画
カペレナの領地95区画
黒潮兵力59,000人
王国兵力145,500人
黒潮食料805,700トン
戦況北の開戦3

泰平・アルガ戦争、ついに開戦
初戦で泰平軍優勢 戦果6,600人

アルガ軍の戦果2,300人 泰平は5か所で徴兵、兵力518,200人に 兵力差45万人超

泰平とアルガの戦場
泰平天国とアルガリスト帝国の戦場。装甲兵、歩兵、山岳兵が交戦し、初戦から双方に戦果が生じた。

第133期、泰平天国とアルガリスト帝国の戦争が始まった。開戦初戦の戦果は泰平軍6,600人、アルガ軍2,300人。装甲兵と山岳兵を投入した泰平軍が、戦果で4,300人上回った。両国の開戦は前期までに予定されており、今期、実際の戦闘に移った。

泰平装甲兵はアルガ歩兵に2,400人、泰平山岳兵はアルガ山岳兵に2,000人の戦果を上げた。アルガ軍も反撃したが初戦は泰平側が優勢となった。泰平は今期5か所で徴兵し、兵力を490,500人から518,200人へ増やした。アルガ軍は66,700人から65,300人へ減少した。

泰平装甲兵、アルガ歩兵を攻撃 戦果2,400人

泰平軍の装甲兵はアルガ歩兵に攻撃を加え、2,400人の戦果を上げた。アルガ歩兵による反撃の戦果は100人。アルガ歩兵も同じ装甲兵を攻撃したが、戦果は100人にとどまり、泰平側の反撃で1,400人を失った。開戦直後の装甲兵と歩兵の交戦では、泰平側が大きく上回った。

山岳兵同士も激戦 泰平が戦果で上回る

泰平山岳兵はアルガ山岳兵を攻撃し2,000人の戦果を上げ、反撃で700人を失った。一方、アルガ山岳兵も泰平山岳兵に1,400人の戦果を上げたが、反撃で800人を失った。山岳兵同士の交戦ではアルガ側もまとまった戦果を挙げたものの、泰平側が上回った。

初戦の戦果、4,300人の差

4件の主要交戦を合計すると、泰平軍が相手に与えた戦果は6,600人、アルガ軍は2,300人となる。装甲兵による攻撃と反撃が泰平の戦果を大きく押し上げ、山岳兵も攻勢を支えた。開戦第1期に当たり、累計戦果も同数である。

泰平、5か所で徴兵 兵力518,200人に拡大

泰平天国は開戦した今期、国内5か所で徴兵した。総兵力は490,500人から518,200人へ27,700人増加。開戦前から大軍を抱えた泰平は、さらに軍備を拡張した。

「昨日までは畑のことを考えていたのに、今日は軍へ出る準備だよ」。天都で召集の知らせを受けた男性は荷物をまとめた。「家のことは親父に頼んできた。どこへ行くかは、まだ聞いていない」

前期には国外から仕事を求める11,000人が泰平へ移住した。ただし泰平の人口は476,400人。総兵力518,200人は人口を上回っている。

アルガ、兵力65,300人 泰平との差さらに拡大

アルガリスト帝国の総兵力は66,700人から65,300人に減少した。泰平との差は452,900人、泰平軍はアルガ軍の約7.9倍に達する。アルガの人口は82,800人、領地は26区画。泰平は170区画を保有する。

アルガ軍は山岳兵による攻撃で泰平側に1,400人の戦果を上げたが、歩兵は装甲兵との交戦で大きく消耗した。数で劣るアルガには、限られた部隊で前線を保つ難しい戦いが続く。

アルガの町に不安 開戦を迎えた人々

アルガリストでは雨が降っていた。開戦の知らせが届き、町では出征した家族の安否を気遣う声が広がった。「もう戦いが始まったんだね。早く帰ってきてくれればいいけど」。雨宿りをしていた女性は、兵士として家を出た息子を思った。「人数がずいぶん違うって聞くから、それが心配でね」

泰平の首都天都は晴れ、アルガリストは雨。戦争が始まった第133期、両国の町では兵の送り出しと残された家族の暮らしが続いている。

戦況論説 初戦で開いた戦果4,300人の差

泰平天国とアルガリスト帝国の戦争は、初戦から泰平軍が戦果で大きく上回った。泰平軍6,600人、アルガ軍2,300人。装甲兵と山岳兵を投入した泰平軍の攻撃に、アルガ軍も歩兵と山岳兵で反撃したが、戦果は泰平の半数にも届かなかった。

総兵力でも泰平518,200人に対しアルガ65,300人と、約8倍の差がある。泰平は今期5か所で徴兵し、兵力を27,700人増やした。開戦時からあった戦力差はさらに広がっている。

大軍を抱えるだけで土地を占領できるものではない。攻勢を続けるには、補給を確保し、部隊の消耗を補う必要がある。アルガ軍にも山岳兵による反撃の力が残る。泰平が初戦の優勢を領土の獲得につなげるのか、アルガが守備の足場を築くのか。次の期には、戦果だけでなく、実際にどの土地と拠点を守り、奪ったかが問われる。

今期・累計の戦果
泰平6,600人(累計同数)
アルガ2,300人(累計同数)
兵力と人口
泰平の兵力518,200人
アルガの兵力65,300人
泰平の人口476,400人
アルガの人口82,800人
今期の主な交戦
泰平装甲兵→アルガ歩兵2,400人
泰平山岳兵→アルガ山岳兵2,000人
アルガ歩兵→泰平装甲兵100人
アルガ山岳兵→泰平山岳兵1,400人
国力と領土
泰平領土170区画
アルガ領土26区画
泰平兵力増減+27,700人
アルガ兵力増減−1,400人
社会怪獣4

なのです、南北で怪獣被害
クジラが港破壊、いのらは市街を襲撃

南部の港湾施設、北西部の町が相次ぎ被災 2体とも現地にとどまる

壊れた港にいるクジラ
なのです主義人民共和国南部の港。クジラが桟橋や倉庫を破壊し、今も港にとどまっている。

なのです主義人民共和国で第133期、2体の怪獣による被害が相次いだ。南部の港には怪獣クジラが出現し、桟橋や倉庫を破壊。北西部の町では怪獣いのらが市街を踏み荒らし、住宅などが倒壊した。両怪獣は今期末も被害をもたらした場所にとどまっている。

南部の港では船の接岸や荷揚げに支障が生じ、北西部の町では家を失った住民が避難を余儀なくされた。なのですは前期、人口1,008,000人に達して世界初の究極繁栄賞を受賞したばかり。国家を挙げた祝典から1期、国内の離れた2地域で怪獣被害に見舞われた。

南部の港、クジラに踏み荒らされる

なのです南部の港は曇り空だった。桟橋が折れ、岸壁沿いの倉庫は潰れ、海面には壊れた木材や荷箱が浮かぶ。その間に怪獣クジラの巨体が居座り、船の接岸や荷役に使われていた場所は大きく損なわれた。

「船を着ける場所がなくなっちまった。荷物だって、まだ倉庫に置いてあったんだ。あれじゃ近寄れないよ」。丘の上から港を見下ろす荷役作業員は沖合に目を向けた。「ほかの港へ回せって言われても、すぐにどうにかなるもんじゃない。運ぶはずだった荷物をどうするか、それもまだ決まってないんだ」

港は物資を運び込み、国内の生産物を送り出すための施設だ。桟橋と倉庫を失えば船や荷物の扱いが難しくなる。怪獣はなお港にとどまり、施設の片付けや再建にも危険が伴う。

港を失った商人ら、荷物の行き先に苦慮

港の破壊は、船を動かす人々だけでなく商人や運送業者にも影響している。出荷を予定した品物をどこへ運ぶか。別の港を使うなら、そこまでの輸送も必要になる。

「今朝まで、ここから出すつもりで荷をまとめてたんだよ。港がなくなったからって、荷物までなくなるわけじゃないからね」。運送に携わる男性は行き場を失った荷箱を見つめた。「船も困るだろうけど、こっちも困る。いつになったら使えるようになるのか、それだけでも早く知りたいね」

国内の別の港が荷役を肩代わりできるかも、物流を維持するうえで重要になる。怪獣の排除と施設の復旧が進まなければ、仕事への影響は長引く。

北西部の町、いのらが市街を破壊

電都の北西に位置する町では、怪獣いのらが住宅の並ぶ市街を踏み荒らした。晴れた町の通りには倒壊した家屋の木材や家財が散乱し、荷車が取り残されていた。怪獣は今も通りにとどまっている。

「すごい音がして、外を見たら家が潰れてた。子どもを連れて逃げるので精いっぱいだったよ」。避難してきた女性は小さな荷物を抱えていた。「着替えも何も持ってこられなかった。家にまだ物が残ってるけど、あれがいるうちは戻れないね」

別の男性も町を振り返った。「うちの家もやられた。家族はみんな無事だったけど、今夜はどこで寝ればいいのか分からない」。住まいを失った人々には、当面の宿泊場所や生活物資が必要だ。家財を取りに戻ることさえ、怪獣がいる間は難しい。

住民の避難続く 怪獣はなお現地に

南部のクジラ、北西部のいのらは、いずれも今期末まで被害地点にとどまった。新たに移動すれば周辺地域にも被害が広がるおそれがある。

北西部では住宅を失った人々の避難先と食料の確保が必要で、南部では港の再開を待つ労働者や商人がいる。人的被害の人数は今号に示されていない。危険な場所への立ち入りを避けながら、被害を受けた人々の生活を支えることが急がれる。

究極繁栄賞から1期 祝典の国に新たな試練

なのですは前期、人口1,008,000人となり、世界初の究極繁栄賞を受賞した。首都電都では国家奉祝大式典が開かれ、旗の行列や夜の提灯行列が続いた。今期、電都自体は怪獣の襲撃を免れたが、南の港と北西の町では住民が生活の場を失っている。

港で働く人々には仕事場が、家を失った住民には雨風をしのげる住まいが要る。国の繁栄を祝ったばかりの今、その力を被害地域の復旧にどう生かすかが問われている。

社会論説 繁栄の力を、被災地の復旧へ

なのです主義人民共和国の南部では港が、北西部では町が、怪獣によって破壊された。2体は今も被害地点にとどまっている。政府はまず住民の避難と安全の確保を急がねばならない。

だが、怪獣を追い払えば問題が終わるわけではない。港には船を着けるための桟橋が、町には住民が暮らす住宅が要る。港の労働者は仕事場を失い、北西部では家を失った人々が今夜の寝床にも困っている。施設の再建は、人々の暮らしの再建でもある。

なのですは前期、世界初の究極繁栄賞を受賞し、電都では国家を挙げて祝った。その同じ国の港と町が、今期、怪獣に踏み荒らされた。人口1,000,000人を超えた国が蓄えた力を、今こそ被害に遭った人々へ向けるべきだ。

港の修復には資材と人手が要る。家を失った住民には当面の住居と食料が、周辺の人々には安全な避難先が必要だ。災害に見舞われた人々をどれほど早く救い、失われた暮らしを取り戻せるか。そこにも国の豊かさが表れる。港に船が戻り、町の通りに人々の暮らしが戻るまで、復旧の手を緩めてはならない。

壊れた町にいるいのら
電都北西部の町。倒壊した家屋や荷車が通りに残り、いのらが市街にとどまっている。
今期、踏まれた場所
南の港クジラ
北西の町いのら
電都被害なし
怪獣の状況2体とも現地
社会到着した人々5

青海から223,200人、教団へ大移住
狐の国に広がる戸惑いと期待

従来の国民160,000人を上回る大集団 旅人を拒んできた教団が受け入れ 新旧住民の衝突懸念

経済的に困窮して狐っ娘に逃れてきた移民たち
経済的に困窮して狐っ娘に逃れてきた移民たち

青海共和国から狐っ娘の尻尾教団へ第133期、223,200人が移住した。教団はこれを受け入れ、人口は前期160,000人から395,900人に急増して繁栄賞を受賞。一方、青海は407,200人から186,500人へ人口が減り、災難賞を受賞した。

狐っ娘の尻尾教団は独自の信仰と共同体を守り、外からの旅人を追い返すことさえある国。その教団が今期、従来の国民総数を63,200人も上回る移住者を一度に迎えた。門前には筋骨隆々の男たちが大挙して現れた。古参住民の反発と、新しく来た住民との摩擦が懸念される。

よそ者を拒んだ門、223,200人に開かれる

教団の首都へ通じる道を、青海から来た男たちが埋めた。太い腕、傷のある顔、逆立てた髪、毛皮や金属の飾り。大声で仲間を呼び合いながら門をくぐり、後ろにはなお長い列が続く。

「何だい、あの人たちは。どこかの軍隊でも来たのかと思ったよ」。門の近くで店を営む狐っ娘の女性は驚きを隠さない。「みんなここに住むんだって? うちの国にいた人より多いなんて、ちょっと信じられないね」

教団では以前から、狐っ娘でない旅人に「狐っ娘じゃないですよね。お帰りください」と告げ、追い返すこともあった。「この間まで旅人を帰していたのに、今度はこんな大勢を入れるっていうんだからねえ。政府からちゃんと話してほしいよ」と別の住民は話す。

白い衣の係員が門前で名簿を広げた。「そちらに並んでください。順番に名前を聞きますから!」。列の男は「分かった、分かった。だけど飯を食えるところも教えてくれよ。朝から何も食ってないんだ」と答え、後ろの男たちから笑い声が上がった。

223,200人到着 人口逆転に衝撃

今回の大移住をめぐり、古参住民から戸惑いの声が上がっている。前期の人口160,000人に対し、到着した223,200人は63,200人多い。従来の住民が数の上で少数派になるほどの変化である。

「戦争で攻めてくるんなら、まだ分かるよ。今度は人を何十万人も送り込んでくるっていうのか」。首都の商人は声を上げた。「うちの国はこれからどうなっちまうんだろうね」

「よその人が住みたいと言えば、これまでは簡単には入れなかったでしょう。それが一度にこんな人数だもの」。年配の狐っ娘はため息をつく。移住によって国の人口構成が一変したことへの警戒は強い。

信仰と祭礼の国 古参住民に募る不安

狐っ娘の尻尾教団は、狐っ娘の尻尾を信仰の中心に据える宗教国家である。教義には「この世界は狐っ娘の尻尾によって構築された世界なのです。すべては狐っ娘の尻尾に通じます。」とある。信仰は祭礼や地域の暮らしにも根付いている。

「うちの村はみんな顔見知りなんですよ。お祭りも昔から同じようにやってきたし、村の決まりもある」。森の集落の女性は話す。「急にこんなに増えたら、これまでどおりにやっていけるのかねえ」

別の住民は「今まではよその人にずいぶん厳しかったでしょう。どうして今回はみんな入れることにしたのか。理由くらい教えてくれたっていいじゃないか」と不満を漏らした。住居や食料だけでなく、信仰や祭礼、町の運営を守れるかという不安も根強い。

移住者は反発に困惑 「俺たちは働きに来た」

「侵略だって? 何を言ってるんだ。こっちは仕事があるって聞いて来たんだぞ」。門前で荷物を下ろしていた大柄な男性は顔をしかめた。「青海じゃ仕事がなくて困ってたんだ。誰かと戦いに来たわけじゃねえ」

隣の男も「政府が入っていいって言ったんだろう。それなのに怖そうだとか出ていけとか言われたら困るよな」と話した。「俺は港で荷物を運んでたんだ。重いものを運ぶのは慣れてる。こっちでも仕事があれば助かる」

移住者たちは新しい暮らしを求めてやってきた。受け入れへの反発に戸惑う一方、今夜の宿や働き口のあてが立たないことにも不安を抱いている。

新旧住民の衝突懸念 政府の対応が焦点

住宅をどう割り当て、仕事をどう確保するのか。新住民が教団の信仰や地域の決まりとどう向き合うのか。急激な人口増加は、町に難しい課題を持ち込んだ。

「今だって家を探している人はいるんだよ。こんなに来たら、住むところが足りなくなるんじゃないかね」。首都の女性は心配する。「新しく来た人ばかり優先されたら、前から住んでいる人は納得しないと思うよ」

移住者側にも不満はある。「こっちだって何も決まらないまま待ってるんだよ。住む場所を用意してくれるって話だったのに、いつになるか分からないんじゃ困る」。こうした不満が重なれば、住宅や仕事の配分をめぐって衝突が起きるおそれがある。

223,200人の大移住 新天地の仕事を求め

223,200人が同じ期に国境を越えるには、食料や輸送、経路の確保など多くの準備が必要となる。「普通に仕事を探して来た人もいるんでしょうけど、こんなに一度に来るのは不思議ですよ。誰が声をかけたんでしょうね」。国境近くの商人は首をかしげる。

到着した人々は住居と仕事を求めて門前に集まった。受け入れ側では食料の手配や住まいの割り当てが急がれる。

資源大国の働き手に期待も 地元の雇用には不安

狐っ娘の尻尾教団は豊富な資源を抱える国で、鉱山や資源の運搬には働き手が要る。「うちは荷物を運ぶ人手が足りなかったからね。働いてくれるならありがたいよ」と商人は話す。「ただ、住むところは何とかしてもらわないと」

一方、地元の作業員は「働き手が増えるのはいいけど、今いる人の仕事はどうなるんだい。給料が下がったら困るよ」と案じる。人口増加への期待と、雇用や生活への不安が交錯している。

教団人口395,900人、繁栄賞 喜びと戸惑い

教団人口は前期160,000人から395,900人へ増加。増加幅235,900人のうち、青海からの移住者は223,200人である。教団は繁栄賞を受賞し、領地は81区画となった。中立だった森も新たに教団領となった。

「繁栄賞だって? 人が増えたからもらえたんだろうけど、これからが大変だよ」。門前の女性は話した。「政府はちゃんと面倒を見られるのかねえ」。新たな客や働き手に期待する商人もおり、受け止めは一様ではない。

青海、人口186,500人へ激減 災難賞

青海共和国の人口は407,200人から186,500人へ減少。減少幅は220,700人、前期人口の約54%に当たる。青海から教団へ223,200人が移り、新天地での生活を始めた。青海は今期、災難賞を受賞した。

「あいつら、みんな行っちまったよ。毎朝うるさいくらいだったのに、今じゃ妙に静かでね」。岸壁の商人は、以前は仲間が集まっていた場所を見渡した。「人手が減ったのは困るけど、向こうでうまくやってくれればいいよ。こっちも仕事は残ってるからね」

第136期開戦控える青海 人口流出が重荷

青海は第136期、オリョルッル王国との開戦を控える。物資の生産、輸送、港の荷役には人手が要り、大規模な人口減少は戦争への備えにも響きかねない。「戦争が始まるっていうのに、人がこんなに減っちまってね。船を動かすのも、荷物を運ぶのも、人が要るんだよ」と港の男性は話した。

オリョルッル王国は第135期に緑丘公国との開戦も控える。青海には、残った人々の暮らしと迫る戦争への準備を同時に進める難しさがある。

胡椒から緑丘へ11,000人 人口移動続く

同じ第133期、胡椒帝国から緑丘公国へも11,000人が移住し、緑丘が受け入れた。第132期にはチェス=シロバキア共和国から胡椒帝国へ22,400人が移住。胡椒は2期続けて人口移動に関わったが、緑丘は第135期、オリョルッル王国との開戦を控える。

社会論説 223,200人を迎えた国の責任

狐っ娘の尻尾教団に青海から223,200人が移住した。前期人口160,000人の国に、それを上回る人々が入った。突然の人口逆転に古参住民から戸惑いの声が上がっている。

旅人を追い返すことさえあった教団が、今期は一度に223,200人を迎え入れた。長く守ってきた信仰や祭礼、町の決まりはどうなるのか。住宅や仕事はどう分けるのか。古参住民の戸惑いには理由がある。政府は移住を認めた理由を説明し、今後の暮らしに見通しを示さねばならない。

青海から来た人々は新しい仕事と生活を求めている。外見だけで人々を敵視すれば、住民同士の溝が深まる。まず住居と仕事を確保し、互いに生活を立て直せる環境を整えたい。政府への不満が新住民への敵意に変われば、地域の不信は深まる。

住宅や仕事の配分、信仰や地域の運営をめぐって、古参住民と新住民の話し合いが必要となる。政府は古参住民と新住民の双方が暮らせる仕組みを整えるべきだ。教団は繁栄賞を受賞した。その繁栄を暮らしの安定につなげる仕事は、今期から始まる。

教団と青海の人口・受賞
到着223,200人
教団の前期人口160,000人
教団の今期人口395,900人
教団の人口増+235,900人
教団の賞繁栄賞
教団の領地81区画
青海の前期人口407,200人
青海の人口186,500人
青海の人口減−220,700人
青海の賞災難賞
開戦予定第136期・対オリョルッル
もう一つの到着
胡椒から緑丘11,000人
緑丘の受け入れ受け入れた
戦況残党戦線6

残党、兵站基地3期連続で陥落
降伏勧告後も抗戦 領土わずか3区画

予備兵さらに1,000人投降、3期で計3,000人 砲兵に打撃 プライムなお残党領

なのですと残党の戦場
なのです軍と旧シンジケート連邦政府残党の戦場。残党領は3区画に縮小し、兵站基地はなのです領となった。首都プライムはなお残党が保持している。

なのです主義人民共和国軍は第133期、旧シンジケート連邦政府残党の兵站基地を新たに占領し、予備兵1,000人が投降した。残党は第131期、第132期にも兵站基地を失っており、3期連続の喪失となった。領土は4区画から3区画へ縮小。首都プライムでは残党軍がなお抗戦を続けている。

なのです側は数期前、シンジケート側に停戦を打診していた。圧倒的な軍事的優位を背景にした申し入れは、残党政府に抗戦の終結を迫る事実上の降伏勧告だった。その後も戦闘は続き、残党領は第130期末の6区画から半減。兵站基地の陥落で投降した予備兵は3期で計3,000人に達した。今期の戦果はなのです軍3,100人、残党軍300人だった。

山岳兵・装甲兵が砲兵を攻撃 戦果2,700人

今期、なのです軍の山岳兵は残党砲兵に対して700人の戦果を上げ、反撃で100人を失った。続いて装甲兵も残党砲兵を攻撃し、2,000人の戦果を上げた。残党砲兵による反撃の戦果は100人。砲兵に対する2つの交戦で残党側は合わせて2,700人の戦果を許した。

一方、残党軍の空兵はなのです装甲兵に攻撃を仕掛け、100人の戦果を上げたが、反撃で400人を失った。なのです軍が今期も戦闘の主導権を握った。

「砲兵がやられたって聞いたよ。あの連中が後ろから撃ってくれるから、こっちも持ちこたえられたんだ」。プライム近郊の残党兵は表情を曇らせた。「次に敵が来た時、誰が支援してくれるんだ。こっちはもう、人数だって足りないんだぞ」

兵站基地また陥落 3期で予備兵3,000人投降

占領された兵站基地では、予備兵1,000人が投降し、なのです側へ下った。第131期に1,000人、第132期に1,000人、そして今期も1,000人。残党軍は3期連続で補充拠点を失い、計3,000人の予備兵がその支配を離れた。

兵站基地は消耗した前線部隊へ兵を補充する要である。拠点を次々と奪われれば、守備隊は減った人数を埋められないまま次の戦闘を迎える。

「また基地が落ちたのか。今度はどこから兵を寄こすんだ」。プライム近郊で補充を待つ兵士はうなだれた。「前の基地が落ちた時も、別のところから補充が来ると思ってたんだ。今度こそ、もう無理なんじゃないか」

別の兵士は「向こうに降った連中を責める気にはなれないよ。俺たちだって、いつまで持ちこたえられるのか分からないんだから」と語った。

数期前の停戦打診 事実上の降伏勧告

なのです側は数期前、シンジケート側に停戦を打診した。当時すでに戦力差は開き、残党側は領土を失い続けていた。形式は停戦の申し入れだが、軍事的に優位に立つ側が残党政府に抗戦を終えるよう迫った、実質的な降伏勧告と受け取れるものだった。

「停戦と言われても、こっちが一方的に土地を失ってるんだ。武器を置いたら、その後どうなるんだろうな」。残党兵の一人は当時の申し入れを振り返った。「降伏しろって言われてるようなもんだろう。でも首都がどうなるか分からないままじゃ、簡単には決められないよ」

打診の後も戦いはやまず、残党側はさらに領土と兵站基地を失った。停戦条件や残党政府側の正式な回答は明らかになっていないが、当時より厳しい戦況に追い込まれたことは確かである。

「首都だけは渡さない」なお抗戦続ける守備隊

プライムは今も残党政府の首都である。「プライムは俺たちの首都だ。ここまで取られたら、もう国がなくなっちまう」。守備兵は言った。「ほかの土地はどんどん取られてきた。それでも、ここだけはまだ守ってるんだ」

だが、今期のなのです軍の戦果は3,100人だった。「守れって命令は来るよ。だけど人がいないんだ。次の戦闘で誰かが倒れたら、その場所を誰が埋めるんだ」。兵士たちは補充の見通しがないまま、首都の防衛を続けている。

領土6区画から3区画へ 首都以外わずか2区画

残党の領土は第130期末の6区画から、第131期末5区画、第132期末4区画、第133期末3区画へと減少した。残る3区画のうち1区画が首都プライムであり、首都以外の領土はわずか2区画となった。さらに失地が続けば、プライム防衛に使える足場も狭まる。

兵力差約52倍 なのです軍は一部を後退

今期末の総兵力はなのです軍464,200人、残党軍8,900人。約52倍の開きがある。人口はなのです1,015,900人、残党8,300人。領土はそれぞれ300区画と3区画である。なお総兵力の比較はプライム周辺で実際に対峙する兵力比を示すものではない。

なのです軍は今期、前線の一部部隊を後退させた。目的は明らかになっていないが、なのです軍には戦力配置を調整する余地がある。一方、残党兵は「敵は下げる兵もいるんだろう。でもこっちは、下げたら守る場所がなくなる」と漏らした。

降伏か抗戦か 残党政府に迫る決断

かつての停戦打診以降、残党政府は領土と補充拠点を失い続けた。戦いを続けるなら、残る8,900人で首都をどう守るのか。戦争終結を探るなら、なのです側との交渉で何を確保するのかが問われる。

降伏後の政府や兵士の処遇、首都に住む人々の安全は、残党側にとって重大な問題である。「戦争が終わってほしいとは思うよ。でも終わった後に俺たちがどうなるのかも怖いんだ」。守備兵は静かに話した。「ここまで守ってきたんだから、最後まで守りたい。でも、みんな生きて帰りたいんだよ」

戦果の累計はなのです軍約109,800人、残党軍約43,500人。なのです軍は優位を保ち、残党側が交渉に使える領土と戦力は減り続けている。

軍事論説 降伏勧告を前に、何を守るのか

残党領はついに3区画となった。第130期末の6区画から3期で半減し、その間に兵站基地を3期連続で奪われた。予備兵計3,000人がなのです側へ下った。首都プライムには今も旧連邦の旗があるが、その旗を守る兵力と補充拠点は失われ続けている。

なのです側は数期前、シンジケート側に停戦を打診していた。圧倒的な軍事的優位を背景とした、事実上の降伏勧告であった。その後も戦闘は続き、今期、残党砲兵への攻撃で、なのです軍は合わせて2,700人の戦果を上げた。残党軍の総兵力は8,900人、なのです軍は464,200人。戦争を支える基盤には約52倍の兵力差がある。

首都を守り抜こうとする兵士の決意は重い。しかし政府が死守を求めるなら、兵士が戦い続けられる条件を整える責任もある。補充基地が失われ、砲兵まで消耗する中、残る兵士に命令だけを出し続けてよいはずがない。

他方、降伏すれば首都や政権の存続が脅かされるかもしれない。政府の存続、軍の処遇、住民の安全は交渉で確保すべき問題だ。戦争を続ける場合の見通しと、戦争を終える場合に守るべき条件を、残党指導部は明確にしなければならない。

なのです軍にも責任はある。停戦を打診したのであれば、戦争終結につながる条件を示し、相手が交渉を選べる道を開くことが求められる。首都プライムは今も残党政府の手にある。その首都を守ることと、そこで暮らす人々の未来を守ること。残党指導部には今こそ決断が求められる。

今期の戦果
今期これまでの戦果
なのです3,100人約109,800人
残党300人約43,500人
残党領土・兵站の推移
第130期末6区画
第131期末5区画/1,000人投降
第132期末4区画/1,000人投降
第133期末3区画/1,000人投降
プライム残党が保持
3期の予備兵投降計3,000人
社会火災7

3国で大火、37,000人死亡
チェス・なのですで2期連続の惨事

チェス19,300人、なのです13,600人、オリョルッル4,100人 2期で死者66,200人

焼け跡を探す家族
焼けた町の朝。家族が灰の中から鍋と布を探している。

第133期、チェス=シロバキア共和国、なのです主義人民共和国、オリョルッル王国で大火が相次ぎ、計37,000人が死亡した。内訳はチェス19,300人、なのです13,600人、オリョルッル4,100人。チェスとなのですは前期も計29,200人を失っており、2期の火災死者は66,200人に達した。

焼け跡では家族を捜し、残った家財を拾い集める人々の姿が見られる。住宅や商店の再建に加え、避難先の確保と消防体制の強化が急がれる。

チェス4か所で19,300人死亡 前期上回る被害

チェスでは2都市と2町で火災が発生し、町で3,300人と4,600人、都市で各5,700人が死亡した。前期は3か所で14,900人が亡くなっており、今期は被災地点も死者も増加。2期の死者は34,200人に達した。

「前の火事で親戚の家が焼けたばかりなのに、今度はうちまで焼けちまった」。焼けた柱の前に立つ男性は、煤に汚れた鍋を拾った。「昨日まで普通に暮らしてたんだよ。こんなことになるなんて思いもしなかった」

避難した女性は「母さんが隣の家に行ったきり戻ってこないんです。みんなで捜してるけど、まだ見つからなくて」と声を落とした。相次ぐ大火は、避難体制と消防力の強化を各地に迫っている。

なのです2都市・1町で13,600人死亡

なのですでは2都市で5,100人と5,000人、町で3,500人が死亡した。前期の死者14,300人と合わせ、2期で27,900人に上る。

「先週も別の町が焼けたって聞いたばかりなのに、また火事だよ」。焼け跡で家財を整理する女性は言った。「家を建て直したいけど、材木も人手もいるでしょう。すぐには元の暮らしに戻れないよ」

同国では今期、南部の港を怪獣クジラが、北西部の町をいのらが襲った。火災とは別の被害だが、各地で生活基盤の復旧が急がれる。前期に世界初の究極繁栄賞を受賞した国でも、2期続けて多くの命が失われた。

「国が大きくなったのはいいことだと思うよ。でも、火事で家族を亡くした人たちのことも考えてほしいね」。被災地の男性は、防災の備えを求めた。

オリョルッル王国でも4,100人死亡

オリョルッル王国の町でも火災により4,100人が死亡した。倒れた柱の間から焼け残った衣類や道具を運び出す人々がいる。

「近所の家もみんな焼けたよ。昨日まで普通に暮らしていたのにね」。避難した住民は黒く焼けた屋根を見つめた。「また同じ場所に家を建てたいけど、いつになることやら」

王国は第135期に緑丘公国、第136期に青海共和国との開戦を控える。「戦争の話も聞くけど、今は家をどうするかで精いっぱいだよ」。被災者の救援と住居の確保も待ったなしである。

前期29,200人、今期37,000人 2期で66,200人の命

第132期の火災死者はチェス14,900人、なのです14,300人の計29,200人。今期の3国37,000人と合わせ、2期の死者は66,200人となった。チェスは34,200人、なのです27,900人、オリョルッル4,100人である。

特にチェスでは今期の死者が前期より4,400人増えた。各国政府は火災が広がる原因を調べ、消防設備、避難路、住宅の防火対策を改めなければならない。

焼け跡からの再出発 住民ら復旧に汗

被災した町では焼け残った木材を集め、瓦礫を片付ける作業が続く。食器や仕事道具を拾い集めても、住居を建て直し、商店を再開するまでには長い時間がかかる。

「これくらいしか残ってないんだよ」。焼けた家の前で老人は煤に汚れた帳面を開いた。「店の記録を書いてたんだ。家はなくなっちまったけど、これだけは残った。また店を開ける日が来るといいんだがね」

当面の寝床と食料を確保し、仕事を取り戻すための救援が必要だ。

社会論説 繰り返される大火、66,200人の命

第132・133期の2期で火災により66,200人が死亡した。チェス34,200人、なのです27,900人、オリョルッル4,100人。これほど多くの犠牲者が続いたことを、各国政府は重く受け止めなければならない。

家を失った人々には寝泊まりする場所が、商売の道具を焼かれた人々には再び働ける環境が必要だ。政府の責任は救援だけではない。なぜ火災が広がったのか、避難路や消防設備は十分だったのかを調べ、対策を進めなければならない。

チェスでは今期の死者が前期を上回り、なのですでも大火が繰り返された。究極繁栄賞を受賞したなのですにとっても、国民の命を守ることは急務である。オリョルッルは開戦を控えるが、被災者の復旧を後回しにはできない。

追悼だけで次の犠牲を防ぐことはできない。防火に強い住宅、消火設備、水の確保、住民の避難経路。66,200人の命の重さを、各国政府は今後の防災政策に刻まなければならない。

第133期の火災死者
チェスの町①3,300人
チェスの町②4,600人
チェスの都市①5,700人
チェスの都市②5,700人
チェス計19,300人
なのですの都市①5,100人
なのですの町3,500人
なのですの都市②5,000人
なのです計13,600人
オリョルッルの町4,100人
合計37,000人
2期の死亡者数
チェス14,900 → 19,300/計34,200人
なのです14,300 → 13,600/計27,900人
オリョルッル今期4,100人
2期合計66,200人
経済相場8

カペレナ、首都攻略の期に繁栄賞
人口314,000人、国庫は645億円減少

黒潮首都を占領した王国、軍事と人口で勢い 弾薬・工業品は小幅安 民間貿易も拡大

カペレナ王国は第133期、人口が295,200人から314,000人に増加して繁栄賞を受賞した。黒潮自治国の臨時首都を占領したのと同じ期の受賞となった。一方、国庫は4,536億円から3,891億円へ645億円減少。

世界の商品相場は弾薬が91.53から89.94、工業品が63.82から63.59へ小幅安。民間貿易量ではあろあろ国が5,768で首位、なのですが4,821で2位を維持した。

カペレナ人口314,000人 繁栄賞受賞

カペレナの人口は前期比18,800人増の314,000人となり、300,000人を超えて繁栄賞を受けた。今期は狐っ娘の尻尾教団も繁栄賞を受賞している。

王国軍は同じ期に黒潮の臨時首都を占領した。都市には10,800人が暮らしており、今後は王国の統治下に置かれる。

「首都を取ったって知らせが来たうえに、今度は繁栄賞だろう。景気のいい話が続くね」。王国の商人は言う。「ただ、戦争が終わったわけじゃないからね。これから先のことも考えないと」

国庫645億円減少 前期4,536億円から3,891億円へ

繁栄賞を受けた一方、カペレナの国庫は645億円、約14%減少し、3,891億円となった。

黒潮の旧首都に暮らす10,800人の生活を維持することも、王国にとって新たな責任となる。

チェスは832億円増 各国の国庫に明暗

チェスの国庫は12,491億円から13,323億円へ832億円増えた。オリョルッルは12,753億円から12,934億円へ181億円増、なのですは6,385億円から6,719億円へ334億円増。黒潮も11,188億円から11,200億円へ12億円増加した。

カペレナだけがこの主要国の比較で減少している。戦争や復興への支出を控える国にとって、国庫の維持は重要だ。

首都失った黒潮、国庫には11,200億円

黒潮自治国は首都を失い、人口2,200人となったが、国庫には11,200億円が残る。今期は無人となっていたネルヴェナへ400人が移住した。住宅の修復と安全確保にも資材が必要だ。

「金は残っているのに、使う場所がどんどんなくなってるんだよ」。黒潮の商人は肩を落とす。「金庫に金があったって、工場も港も敵のものになったら、どうやって物を運べばいいんだ」

残された資金を、フィルノアやネルヴェナの住民の生活へどう生かすかが問われる。

弾薬89.94、工業品63.59 ともに小幅安

弾薬は91.53から89.94へ1.59、約1.7%下落。工業品は63.82から63.59へ0.23、約0.4%下落した。木材3.20、鋼鉄12、石油7.2、燃料6.8、石材5.6、鉱石4.8は横ばいだった。

今期は泰平天国とアルガリスト帝国の戦争が始まり、カペレナと黒潮などの戦闘も続く。「弾薬は少し安くなったね。でも、これから戦争が増えるなら、この値段が続くといいけどね」。商人は相場表に目を通した。

開戦を控える各国の商人は、相場表を前に品物の調達を進めている。

あろあろ国、貿易量5,768で首位維持

民間貿易量はあろあろ国が前期4,353から5,768へ1,415増、なのですが3,501から4,821へ1,320増。ともに順位を維持した。3位は泰平天国の3,106で、前期3位だった青海は上位3国から外れた。

泰平はアルガリスト帝国と開戦した同じ期に貿易量3位に入った。「戦争が始まったからって、商売まで全部止まるわけじゃないよ」。交易商人は話す。「売る物も買う物もあるんだから、船や荷車が動けるうちは続けたいね」

なのですでは今期、怪獣クジラが南部の港を破壊した。貿易量は増えているが、港湾被害の影響が今後の焦点となる。

各国の売出情報 食料や資源の取引続く

青海共和国と白波王国はそれぞれ工業品8を価格493で売り出した。黄砂は石油82を535、緑丘は食料600を626、アルガは食料600を658、紅峰は弾薬6を505、朱川は燃料88を538で売り出した。

食料600の売出価格は緑丘626、アルガ658と異なる。いずれも売出条件であり、実際に成約した価格や数量ではない。

開戦控える3組 軍需品確保が焦点

緑丘とオリョルッルは第135期、青海とオリョルッルは第136期、黒潮とオリョルッルは第137期に開戦予定。今期、これらの組み合わせで新たな交戦はなかった。

青海では223,200人が狐っ娘の尻尾教団へ移り、人口が大幅に減少した。今後の軍需品生産や輸送への影響も懸念される。

経済論説 勝利を重ねる王国、減りゆく国庫

カペレナ王国は第133期、黒潮自治国の臨時首都を占領し、繁栄賞も受賞した。人口は314,000人に達した。一方、国庫は前期から645億円減り、3,891億円となった。

国庫残高は前期の4,536億円から3,891億円となった。黒潮との戦争が続く中、王国の財政は前期から縮小した。

占領した黒潮の首都には今も10,800人が暮らす。治安と住民生活を安定させ、軍事的勝利を領土の経営に結びつけられるか。王国の力が試される。

対する黒潮は首都を失い、人口2,200人となったが、国庫には11,200億円が残る。フィルノアやネルヴェナの住民の生活を支えるには、その資金を実際に使える施設と輸送の手段が必要だ。

各地で戦争が続き、商品相場にも変化が生じている。カペレナは戦争を続けながら財政をどう維持するか。黒潮は残された資金で住民をどう支えるか。領土が塗り替わるたびに、そこで暮らす人々の経済も変わっていく。

主要国の国庫(億円)
カペレナ4,536 → 3,891(−645)
チェス12,491 → 13,323(+832)
オリョルッル12,753 → 12,934(+181)
なのです6,385 → 6,719(+334)
黒潮11,188 → 11,200(+12)
商品相場(前期 → 今期)
弾薬91.53 → 89.94
工業品63.82 → 63.59
木材3.20 → 3.20
鋼鉄12 → 12
石油7.2 → 7.2
燃料6.8 → 6.8
石材5.6 → 5.6
鉱石4.8 → 4.8
民間貿易量
あろあろ4,353 → 5,768
なのです3,501 → 4,821
泰平今期3,106(3位)
売出情報(数量/価格)
青海・白波 工業品各8/493
黄砂 石油82/535
緑丘 食料600/626
アルガ 食料600/658
紅峰 弾薬6/505
朱川 燃料88/538
開戦予定
緑丘―オリョルッル第135期
青海―オリョルッル第136期
黒潮―オリョルッル第137期
気象空と海9

中立駆逐艦、白波商船2隻を雷撃
相次ぐ襲撃に海運界不安

3隻の中立駆逐艦が攻撃 1隻は耐久値1、両船沈没免れる 北方の雪40区画から9区画へ

煙を上げて浮かぶ商船
白波の商船。舷側の穴から黒煙が上がっている。船体は浮かんだままで、沈んではいない。

白波王国の商船2隻が第133期、中立駆逐艦の魚雷攻撃を受けた。1隻には駆逐艦2隻が魚雷を発射し、被害の記録は1回。被弾後の耐久値は2。別の商船も駆逐艦1隻に雷撃され、耐久値は1となった。両船とも沈没は免れたが、船体の損傷と乗組員の安全が懸念されている。

白波商船は前期にも中立駆逐艦の魚雷を受けた。2期続く商船への攻撃に、海運関係者の不安は深まっている。攻撃艦はいずれも特定の国家に所属しない中立艦である。

駆逐艦2隻が同じ商船を雷撃

白波の商船1隻に対し、中立駆逐艦2隻が魚雷を発射した。命中が記録されたのは1回で、被弾した商船は黒煙を噴き、耐久値は2となった。

「魚雷だ、伏せろ!」。見張りの叫びとともに甲板には緊張が走った。衝撃の後、船員たちは損傷箇所の確認に追われた。「船が傾いた時はもう駄目かと思ったよ。何とか浮いているけど、これで港へ戻れるのかね」。乗組員は不安を隠さなかった。

別の商船も被弾 耐久値わずか1

別の中立駆逐艦は、白波のもう1隻の商船に魚雷を命中させた。被弾後の耐久値は1。船は辛うじて沈没を免れた。

「耐久値が1だって? よく浮いているものだ」。港の商人は驚いた。「沈まなかったのはよかった。でも無事に帰ってこられるかは別だろう」。船体の損傷は乗組員の帰港と積み荷の輸送に影響しかねない。

前期にも商船被弾 2期続く中立艦の攻撃

第132期にも中立駆逐艦が白波の商船を雷撃し、被弾後の耐久値は2まで低下した。しかし白波の海運が2期続けて襲われた事実は重い。

「先週も船がやられたばかりでしょう。今度は2隻だっていうじゃないか」。港の商人は声を荒らげた。「これじゃ安心して荷を積めないよ。商船は魚雷を食らうために海へ出るんじゃない」

中立艦の商船攻撃 海運界に不安

攻撃したのは特定の国家に所属しない中立艦だった。「敵の軍艦なら警戒もする。でも中立の艦まで撃つんなら、どこを通ればいいんだ」。白波の船主は航路の安全を案じた。

商船が運ぶ食料、燃料、工業品は各地の市場や工場を支える。船員と積み荷を危険にさらす攻撃が続けば、海上交通全体への不信につながる。

北方の雪、40区画から9区画へ急減

第130期から第132期まで40区画で推移した雪の区域は、今期9区画に減った。31区画、約77.5%の減少である。雪は北方の端にわずかに残る。

「先週まで雪で真っ白だった道に、地面が見えてきたよ」。北方の村で薪を運ぶ男性は話した。「歩くのは楽になったけど、雪解け水で道がぬかるむのは困るね」。変化が続くかは分からず、村では空模様を見守っている。

晴れ3,771、曇り3,852 雨は増加

第133期の天候は晴れ3,771区画、曇り3,852区画、雨465区画、雪9区画、雷3区画。前期比で晴れは80増、曇りは114減、雨は69増、雪は31減、雷は4減だった。

曇りはなお晴れを81区画上回る。「雨が続くと船の荷を乾かすのにも時間がかかる。晴れてくれるのが一番だけどね」。港では荷役作業にも天候への備えが欠かせない。

外洋航海、青海495で首位

外洋航海記録は青海495、黒潮258、緑丘58。前期の488、254、56からそれぞれ増えた。これは累積の航海記録で、今期の貿易量ではない。商船被害が続く中、海の安全確保は引き続き重要である。

海事論説 中立艦の雷撃を許すな

白波の商船がまたも中立駆逐艦の魚雷を受けた。前期に続き、今期は2隻が被弾した。両船とも沈没は免れたが、1隻は耐久値1まで低下した。船が浮いていることと、乗組員が安全であることは同じではない。

商船は食料、燃料、工業品を運ぶ。商人だけでなく、市場や工場、船員の家族の暮らしをも支えている。所属国を持たない中立艦による攻撃が続くことは、海上交通の安全を脅かす。

各地で戦争が続いても、商船を不必要な危険にさらしてよい理由にはならない。本紙は相次ぐ雷撃を強く非難し、乗組員の安全と海上交通を守る手立てを求める。

第133期の天気
第133期の天気。北方の雪は前期40区画から9区画に縮小した。
第133期の海流
第133期の海流図。各地の海上航路を考える手掛かりとなる。
空の区画(前期 → 今期)
晴れ3,691 → 3,771
曇り3,966 → 3,852
雨396 → 465
雪40 → 9
雷7 → 3
合計8,100 → 8,100
白波の商船被害
商船①2隻が発射、命中記録1回/耐久値2
商船②駆逐艦1隻/耐久値1
両船沈没せず
外洋航海記録
青海488 → 495
黒潮254 → 258
緑丘56 → 58
入門第25回10

軍艦建造の仕組みと費用
軍港の位置、鋼鉄、海軍経験が条件

駆逐艦80億円から空母1,920億円 五つの艦種を比較 燃料消費と保有上限にも注意

第25回は軍艦の建造を取り上げる。軍艦を造るには自国の軍港のほか、資金、鋼鉄、海軍経験、保有上限などの条件を満たす必要がある。建造後も毎期燃料を消費するため、運用まで見据えて計画を立てたい。

軍港がなければ軍艦は造れない

軍港の建設費は500億円で、建設そのものには鋼鉄を必要としない。軍艦の建造地点は、自国の軍港に隣接する海または浅瀬。軍港と建造地点の地形を確認しよう。

なお、駆逐艦だけが浅瀬に進入できる。大型艦を運用するなら、建造後の航路に浅瀬がないかも調べなければならない。浅瀬への進入制限と、浅瀬での建造可否は区別して扱う必要がある。

五つの艦種と建造費用

駆逐艦は80億円と鋼鉄25トン、巡洋艦は320億円と100トン、戦艦は640億円と200トン、航空母艦は1,920億円と600トン、潜水艦は640億円と200トンを必要とする。資金と鋼鉄は建造の際に支払う。

例えば駆逐艦5隻なら資金400億円と鋼鉄125トンが必要になる。どちらか一方が不足していても建造はできない。

浅瀬を航行できるのは駆逐艦だけ

駆逐艦は浅瀬を進めるが、巡洋艦、戦艦、航空母艦、潜水艦は深い海を航行する。軍港が連続する場合には、敵対していない港を経由して途中で止まらず通過できる仕組みもある。

「戦艦を造ったはいいけど、港の周りが浅瀬ばかりじゃ出ていけないだろう」。造船所の親方は海図を指した。「大きい船ほど、どこを通るかまで考えないといけないんだよ」

海軍経験が上位艦種を開く

駆逐艦は初期から建造できる。巡洋艦は海軍経験10、戦艦は40、航空母艦は160、潜水艦は640が必要だ。敵艦を沈めるか怪獣を倒すと経験を得るが、攻撃を命中させただけでは増えない。

例えば資金2,000億円と鋼鉄600トンを持っていても、経験160に達していなければ空母は建造できない。経験が足りても資源が不足していれば同様だ。

国の軍艦は40隻まで

国全体の軍艦上限は40隻。軍港1か所につき5隻、1艦隊につき10隻という上限もある。艦隊は16まで置けるが、16艦隊あるから160隻持てるわけではない。

軍港による枠の具体的な適用は、建造時の仕様と自国の保有状況を確かめて判断しよう。

建造指定番号の読み方

建造指定番号は「100+艦隊番号×10+艦種番号」。艦隊番号0が第1艦隊、1が第2艦隊に当たる。艦種番号は駆逐艦1、巡洋艦2、戦艦3、航空母艦4、潜水艦5だ。

第1艦隊に駆逐艦なら101、巡洋艦なら102。第2艦隊に駆逐艦なら111、第3艦隊に戦艦なら123となる。艦隊番号が0から始まる点に注意したい。

軍艦は毎期燃料を消費する

毎期の燃料消費は駆逐艦1万kl、巡洋艦2万kl、戦艦3万kl、航空母艦5万kl、潜水艦2万kl。駆逐艦5隻なら毎期5万kl、巡洋艦2隻と駆逐艦3隻なら毎期7万klが必要だ。

「船を造る金のことばかり考えてたけど、毎期の燃料もいるんだね」。新たに艦隊を編成する担当者は、何期分の燃料を確保できるか計算した。

軍艦建造前に確認したいこと

まず自国の軍港と隣接海域を確認する。資金と鋼鉄、必要な海軍経験、軍港数や艦隊による保有上限を確かめ、さらに毎期の燃料消費を見積もる。建造できることと、その後の艦隊を維持できることは別である。

五つの艦種の建造費・必要経験・毎期燃料
艦種資金/鋼鉄経験/燃料
駆逐艦80億円/25トン初期/1万kl
巡洋艦320億円/100トン10/2万kl
戦艦640億円/200トン40/3万kl
航空母艦1,920億円/600トン160/5万kl
潜水艦640億円/200トン640/2万kl
本欄の提言 艦隊は建造して終わりではない

軍艦は造れば終わりではない。建造費のほか、毎期の燃料が必要となる。駆逐艦5隻なら毎期5万kl、航空母艦1隻でも同じく5万klを消費する。

上位艦種には海軍経験が要り、軍港の数や保有上限にも制約がある。各国が新たな戦争に備える今、どの海域を守るため、どの艦を何隻持つかを考えるべきだ。

建造費だけでなく鋼鉄、燃料、軍港の位置、航路と艦隊運用まで整えてこそ、軍艦は戦力となる。高価な艦を多く並べるだけが強い海軍ではない。

次回・第26回は、艦の行動を解説する。通常、退治、巡航、停船。

建造の条件

場所と上限
軍港建設費500億円
建造地点自国軍港に隣接する海・浅瀬
国全体最大40隻
軍港1か所5隻
1艦隊10隻
艦隊数16まで
建造指定番号
第1艦隊・駆逐艦101
第1艦隊・巡洋艦102
第2艦隊・駆逐艦111
第3艦隊・戦艦123

小欄 初めての駆逐艦建造

第1艦隊に駆逐艦1隻を造るなら、資金80億円と鋼鉄25トンを用意する。駆逐艦は初期から建造可能。指定番号は101。建造後は毎期1万klの燃料を消費する。軍港の隣接海域と保有上限も確認しておこう。

国特集スルガ11

戦火遠く、スルガの港に商いの声
人口137,300人、国庫12,834億円

船乗り、荷役人、商人が支える港町 対外戦争なく日々の仕事続く

晴れのスルガ港で働く人々
晴天のスルガ港。桟橋では船乗りや荷役人が荷物を運ぶ。

第133期、スルガの首都スルガは晴天に恵まれた。港の桟橋には小舟が並び、荷役人たちが品物を運び出している。人口137,300人、領土20区画の同国は現在、対外戦争を行っていない。国庫12,834億円、食料備蓄928,000トン、兵力20,000人。戦火の届かない町では、船乗りと商人たちが普段どおり働いている。

朝の桟橋、船と荷車でにぎわう

朝、船が着くと荷役人が桟橋へ集まり、木箱や麻袋を陸へ運ぶ。「そこ、もう少し右へ寄せてくれ。荷車が通れなくなるぞ」。声を掛け合い、船から市場へ品物が移される。

「今日は天気がいいから荷を運ぶのも楽だよ」。荷車を押す男性は額の汗を拭った。「雨の日は足元が滑るし、荷物も濡れるからね」

港から市場へ 商人たちの一日

町の中心へ進むと、食料や道具、船で使う縄や布を売る店が軒を連ねる。「船が着く日はお客さんも多いんですよ。船乗りも商人も店へ寄っていくから」。雑貨店の主人が棚の品を並べ直した。

昼には食堂へ荷役人が集まり、焼いた魚やパン、温かな汁物を口にする。「朝から働いていると腹が減る。食べたらまた午後の仕事だよ」。港の仕事は、食堂や商店の暮らしも支えている。

国庫12,834億円 町を支える財政

スルガの国庫は12,834億円に達する。ただし国庫の多さだけで住民の暮らしを測ることはできない。港から市場へ続く道路の維持、港湾設備の整備、商業の振興には資金が必要だ。

「国にお金があるのはいいこと。でも道が壊れたままじゃ困るでしょう」。市場の女性は話す。「毎日荷車が通る道だから、そういう所にも使ってほしいね」

食料928,000トン 暮らしの備え

食料備蓄は928,000トン。輸送の混乱や災害があれば備蓄は生活の支えとなる。「船が来ない日もあるし、天気が悪くて荷を運べない日もある。備えがあると安心だよ」。商人は倉庫の方を見た。

周辺では戦争が続き、海上では商船が被弾する事件も起きている。現在戦争をしていないスルガにとっても、海上交通の安定は重要だ。

兵力20,000人 戦争なき国の備え

スルガの総兵力は20,000人。今期は対外戦争に加わっていない。「戦争がないのはありがたい。でも、よその国で戦争が始まると、こっちも気になるね」。桟橋の年配の男性は沖を眺めた。「港が危なくなれば、仕事も止まってしまうからさ」

夕暮れの港、明日の荷を待つ

夕方、荷役人が最後の木箱を片付け、商店では店じまいが始まった。「今日はこれで終わりだな。明日は別の船が来るんだろう」。空になった荷車が市場へ帰っていく。船乗りたちは翌日の航海に備えた。

船が着き、荷が動き、町の店に客が集まる。スルガでは今日もそうした仕事が続いている。

地方評 平和な港を支えるもの

スルガは今期、対外戦争を行っていない。人口137,300人、国庫12,834億円、食料928,000トンの備蓄を持つ。しかし国の安定は、数字だけで成り立つものではない。

港には船を動かす者、荷を運ぶ者、それを売る商人がいる。道路や港が使えなくなれば、日々の商いは止まる。国庫の資金を住民の生活や産業の維持に生かすことも大切な国づくりだ。

周辺諸国で戦争が続く今、平和な港と安全な航路を守る意味は重い。明日も船が出て、市場に品物が届く。その営みを支え続けることが求められる。

スルガの現況
首都スルガ
人口137,300人
兵力20,000人
国庫12,834億円
食料928,000トン
領土20区画
天候晴れ
対外戦争なし

小欄 港の昼飯

昼時、港の食堂には荷役人が集まる。焼いた魚と薄いパン、温かな汁物。「朝から働いてると、これが楽しみでね」。男はパンを汁に浸した。「午後も荷を運ぶから、しっかり食べておかないと」。

文化朱川12

丹城で新作『朱の橋守』評判に
洪水の夜、橋を守った老番人の物語

朱川共和国の読書会で朗読 橋を渡る人々と老番人の決断 作者は無署名

丹城の川岸の風景
丹城の川岸。町の暮らしを支える橋を舞台にした短編『朱の橋守』が読まれている。

朱川共和国の首都丹城で、無署名の短編小説『朱の橋守』が読まれている。川の増水が続く夜、古い橋を守る老番人が対岸へ渡ろうとする人々を送り出す物語だ。「朱色の川が流れる共和国」を掲げる朱川の読書会では、橋を守る仕事と人命を守る決断をめぐって議論が交わされた。

増水する川、橋に残った番人

『朱の橋守』の主人公は、町外れの橋で長年通行を見守ってきた老人。上流の雨で川が増水した夕方、住民たちは対岸の高台へ逃れようと橋に集まった。橋脚には流木がぶつかり、板は揺れている。

「急ぐな。橋の上で走るんじゃない。一度に大勢で渡ったら橋が持たん」。番人の声に従い、商人も子どもを連れた母親も順番に橋を渡った。

最後の荷車を通すか 老番人の決断

最後に来たのは、避難先へ届ける食料を積んだ荷車だった。橋は今にも壊れそうだった。「もう渡せん。橋がもたない」「向こうには食べ物を待つ人がいるんだ」。商人は引き下がらない。

老人は荷車から荷物を下ろさせ、人々に一袋ずつ担がせて渡らせた。荷車は橋の手前に残る。運び終えると老人は通行止めの綱を張った。直後、流木が橋脚に激突し、古い板が川へ落ちた。橋は損なわれたが、渡っていた人々に犠牲は出なかった。

「橋を守る」とは何を守ることか

読書会では、老人の判断をめぐって意見が分かれた。「橋を守るのが仕事なら、最後まで壊さずに済む方法を考えるべきだった」。男性の発言に、女性は首を振った。「板や柱より、そこを渡る人の命が大事でしょう」

荷車を置いた商人に共感する声もあった。「商売道具を捨てていけと言われたら簡単には決められない」。「食料は向こうへ運べた。全部失うよりよかった」と応じる人もいた。

老番人が守ったもの

物語の終盤、老人は川岸の道を回って避難した人々と合流する。子どもが尋ねた。「おじいさん、橋はなくなっちゃったの?」。老人は答える。「そうだな。だが、また架ければいい」

少年は老人の手を握り、「じゃあ、今度は僕も手伝うよ」と言った。橋は失われても、それを使って暮らす人々と、次の橋を架ける仕事は残された。

丹城の読者が語る『朱の橋守』

「橋が壊れた時は悲しかったけど、最後に子どもが手伝うと言うところがよかった」。若い読者は話した。「古いものを守るのも大事だけど、次につなぐことも大切なんだと思う」

一方、もっと早く通行を止めるべきだったとの声もある。短い物語は、危険の中で誰を、何を守るのかという問いを残した。

朱川共和国、川とともにある暮らし

首都丹城は今期曇り、丹翠は晴れ。朱川共和国は人口91,100人、兵力20,000人、国庫9,436億円、食料623,500トン、領土15区画。対外戦争は行っていない。

『朱の橋守』は、川と橋を舞台に、日々の通行を支える仕事の責任を描いている。

文芸時評 橋を失っても、人は残る

『朱の橋守』は洪水の夜に古い橋を守る番人の物語だが、橋を守り抜く英雄譚ではない。老人は危険を知りながら、人々をどう渡らせるかという判断を迫られる。

最後の荷車を通せば橋が壊れるかもしれない。しかし食料を運ばなければ避難者が困る。老人は荷車を置き、食料を人の手で運ぶ道を選んだ。すべてを守れないとき、何を優先するかという問いがある。

橋は壊れても、人々は生き残る。最後に子どもが「今度は僕も手伝う」と語る場面が、古い仕事を次代へ渡す。丹城の川を舞台に、町を支える責任を描いた一編である。

次回は、胡椒帝国。

朱川共和国
首都丹城
人口91,100人
兵力20,000人
国庫9,436億円
食料623,500トン
領土15区画
丹城の天気曇り
丹翠の天気晴れ
対外戦争なし
今週の一冊
書名『朱の橋守』
著者無署名
舞台丹城の川と古い橋
主人公老番人
主題人命を守る決断と次世代への継承

小欄 橋守の道具箱

丹城の橋守が使う道具箱には金槌、釘、短い縄が収まる。「大きな修理は大工の仕事。でも毎日の点検は橋守がする」。年配の番人は傷んだ板を指で確かめた。

スポーツ翠湖13

湖陽の舟競争、送り舟の女性が初優勝
昨年2着の雪辱、最後の係船で決着

秋の「櫂の一番」に湖畔の観衆沸く 地元の舟乗り・水野澪さんが優勝

湖上で競う二艘の舟
曇りの湖陽。湖上で競う2艘の舟に、桟橋の観衆が声援を送る。

翠湖自治州の首都湖陽で第133期、秋の舟競技「櫂の一番」が行われ、地元の送り舟を漕ぐ水野澪さんが初優勝した。湖上の標を回り、出発した桟橋へ戻って綱を結ぶまでを競う。水野さんは昨年、標の折り返しで櫂を入れ損ねて2着。今年は帰路で追い上げ、最後の係船で決着をつけた。

2艘が一斉に出発 湖上に響く声援

湖陽の桟橋には朝から観衆が集まった。出場する2艘には、水野さんと昨年の優勝者、舟乗りの岸本健二さんが乗り込む。

「始め!」。審判の合図で2艘が湖へ滑り出した。岸本さんが力強い櫂さばきで先行。水野さんは一定の調子で追う。「澪、落ち着いていけ!」。岸から声援が飛んだ。

折り返しで差を縮める 昨年の失敗生かす

標に近づくと岸本さんがわずかに先行していた。昨年の水野さんはこの場所で櫂を入れ損ね、舟の向きが乱れて遅れた。今年は短い一掻きで慎重に向きを変え、折り返しで差を詰めた。

「今年はうまく回った!」。岸から歓声が上がる。水野さんは競技後「去年はあそこで失敗した。今年は慌てないように決めていたんです」と話した。

桟橋目前、最後の勝負は綱結び

2艘はほぼ横並びで桟橋へ戻ってきた。岸本さんがわずかに早く岸へ着けたが、競技は綱を杭に結ぶまで終わらない。水野さんは舟を落ち着いて寄せ、慣れた手つきで綱を回した。

「勝者、水野澪!」。審判の声が響き、大きな拍手が起きた。岸本さんは「最後で負けたよ。速く着くだけじゃ駄目だったな」と笑った。水野さんは「毎日お客さんを送ってるから。舟を着けるのは慣れてるんです」と答えた。

昨年2着から初優勝 送り舟の腕が力に

水野さんは普段、湖陽の湖で客を運ぶ送り舟を漕ぐ。速さより安全に、決められた位置へ舟を寄せる技術が必要だ。「仕事では急いで漕ぐより、お客さんを揺らさずに着けることが大事なんです」

昨年の失敗を踏まえ、今年は折り返しを丁寧にこなし、最後まで落ち着いて係船した。日々の仕事が競技で生きた。

岸本さん「来年は綱結びも練習する」

昨年の優勝者、岸本さんは2着。「舟を漕ぐ方では負けてなかったと思う。でも競技は綱を結ぶまでだからね」。再挑戦の意思を問われると「もちろん、また出るよ。今度は綱結びも練習してくる」と笑った。

湖陽の秋を彩る「櫂の一番」

舟を速く漕ぐだけではなく、標の折り返し、桟橋への帰着、綱の係船までが勝敗を左右する。「見てると簡単そうだけど、あんなにうまく舟を回せないよ」。観客は拍手を送った。

翠湖自治州は人口93,500人、兵力20,000人、国庫4,464億円、食料772,200トン、領土15区画。今期は曇りで、対外戦争は行っていない。

スポーツ評 舟を着けるまでが勝負

今年の「櫂の一番」は昨年2着の水野澪さんが制した。勝負を分けたのは最後の係船。岸本健二さんは桟橋への帰着でわずかに先行したが、水野さんが綱を結ぶ手際で上回った。

標を回り、舟を安定させ、桟橋へ正確に寄せる。普段の送り舟の仕事で培った技術が、今年の勝利につながった。岸本さんも力強い漕ぎで最後まで争った。

来年、水野さんは追われる立場となる。岸本さんは雪辱を期しており、再戦が楽しみだ。

「櫂の一番」競技結果
開催地翠湖自治州・湖陽
天候曇り
優勝水野澪(送り舟の船頭)
準優勝岸本健二(舟乗り)
決着水野が先に綱を結び終えた
水野の前年成績2着

競技の基本規則

1人乗りの手漕ぎ舟で湖上の標を所定の方向から回り、出発した桟橋へ戻る。帰着後に綱を所定の杭へ正しく結び終えた選手が勝つ。標を回らなかったり、係船に失敗した場合はやり直しとなる。

翠湖自治州
首都湖陽
人口93,500人
兵力20,000人
国庫4,464億円
食料772,200トン
領土15区画
対外戦争なし

小欄 子どもたちの舟教室

大会後、水野さんと岸本さんが子どもたちに櫂の持ち方を教えた。「力いっぱい漕げばいいの?」「それだと舟が真っすぐ進まないよ」。水野さんは笑い、岸本さんが舟の上で動きを見せた。