黒潮の港町、再び艦砲の標的に
二都市で600人死亡 王国は北部制圧を宣言
陸上の戦果は7,600人対1,900人 首都は黒潮が保持
【総合部】カペレナ王国の戦艦と巡洋艦が黒潮自治国の沿岸都市フィルノアとネルヴェナを砲撃し、市民600人が死亡した。フィルノアの犠牲者は400人、ネルヴェナは200人。両都市と黒潮の首都は今期も黒潮領にある。
砲撃を繰り返し受けるフィルノア
フィルノアは第128期と第129期にも艦砲射撃を受け、それぞれ200人が死亡した。今期も同じ都市で400人が命を落とし、被害は続いている。港へ向かう道では、住民たちが荷車を離れ、建物の陰へ駆け込んだ。
「海から音がすると、仕事をやめて身を伏せるようになった」。岸壁近くの商人は、砲撃で傷んだ建物を見た。第130期には砲撃を免れたが、今期再び港町へ砲弾が落ちた。街の人々はようやく片付けた荷をまた運び出す。軍の攻勢が続く限り、岸壁の商いも落ち着かない。
ネルヴェナでも200人犠牲
ネルヴェナでは人口が2,200人から2,000人に減少し、防衛施設にも1発が命中した。フィルノアの人口は2,200人から1,800人となり、黒潮全体では15,900人から15,300人へ減少した。黒潮の国土は守られていても、街からは確かに600人が失われた。
王国は北部制圧を主張
陸上戦ではカペレナ軍が黒潮軍に7,600人の損害を与え、黒潮軍も1,900人の損害を王国側に与えた。累計戦果はカペレナ143,800人、黒潮94,300人となった。
カペレナ王国は「黒潮臨時首都の防衛軍壊滅、北部既に8割制圧、抵抗軍は計画都市に疎開か」と声明を出した。王国の軍事的優勢を誇る言葉とは裏腹に、首都に掲げられた旗はいまも黒潮のものだ。第130期に歩兵一部隊を失った黒潮は、今なお保持する首都をどう守るのか。陸海の攻防は2面。
なのです、残党兵站を占領
なのです主義人民共和国は旧シンジケート連邦政府残党の兵站基地を占領し、予備兵1,000人を奪った。今期の戦果はなのです軍4,000人、残党軍600人。残党の首都プライムはなお陥落していない。だが、補充のために蓄えた兵まで敵の手に渡った。3面で詳報する。
大火相次ぎ28,800人死亡
なのです国内で18,600人、チェス=シロバキア共和国で10,200人が火災により死亡した。一方、白波王国から翠湖自治州へ移った3,000人は、仕事を求め、新天地で暮らしを始めた人々だ。社会面は4面。
青海、オリョルッルに宣戦布告
青海共和国はオリョルッル王国に宣戦を布告した。開戦予定は第136期。王国は緑丘公国とも第135期に開戦を控えており、隣国との戦争が相次ぐ見通しとなった。今期は青海との交戦は始まっていない。5面で扱う。
港町に迫る「次の砲弾」
フィルノアの港では、荷揚げの時刻を告げる声より先に砲声が響くようになった。「積み荷を数えていた者が、今は逃げ道を数えている」。岸壁の商人の皮肉には笑う者もいない。ネルヴェナでは市街への着弾で200人が命を落とし、別の砲弾が防衛施設を捉えた。
王国は北部の8割を制したと豪語するが、黒潮の旗はまだ首都にある。首都を攻め落とせぬまま沿岸の人口を削る戦いが続けば、軍事上の勝敗より先に、港町の営みが痩せ細る。
カペレナ王国が北部制圧を誇示する一方で、フィルノアとネルヴェナには合わせて600人の死者が出た。都市を砲撃しながら「勝利」を語るならば、その勝利が誰のためのものかを王国は答えねばなるまい。軍港や守備部隊への攻撃と、家々を巻き込む艦砲射撃を同じ戦功に数えることは許されない。
黒潮側にも責務がある。国旗を掲げ続けているだけでは住民は守れない。砲撃の届く岸壁に人を残すなら、避難路と救護、食料の確保を急ぐべきだ。首都の帰属を争う両軍にとって一つの都市でも、市民にとっては代わりのない故郷なのである。