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第126期
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トレーディア
新聞THE TREDIA SHIMBUN
トレーディア暦2年8月第3週
夏季
本日10面
主な記事 エスペランサ陥落 「プライム」東へ 黒潮の首都前 狐へ4万6,800人 弾薬93.09 オリョルッル
総合皇国の首都1

皇国首都エスペランサ陥落 
チェス軍が占領

隣の森では皇国軍が抗戦 
新たな首都は定まらず

石造りの広場に並ぶ歩兵
占領下の広場に、兵が並ぶ。

チェス=シロバキア共和国軍がエスペランサ皇国の首都エスペランサを占領した。皇国軍の歩兵は市街に隣接する森に残り、旧首都へ向けて攻撃を続けている。皇国政府は、新たな首都の所在を発表していない。

前週にはチェス軍の歩兵が首都市街に進出し、森に陣取る皇国軍と交戦していた。今週、都市の領有はチェス側に移った。首都は敵の手に落ち、周辺では戦闘が続いている。

陥落後の皇国の人口は1万8,600人で、前号の3万3,500人から1万4,900人減った。首都を失い、皇国の統治下に残る住民も減った。皇国軍の兵力は前週の2万9,800人から3万3,600人へ増えた。働き手の不足は1万1,200人から2万7,900人になっている。

今週の戦闘で皇国軍がチェス軍に与えた損害は1,700人、チェス軍が皇国軍に与えた損害は700人。首都市街を失いながら、皇国軍は隣の森から抗戦を続けた。戦闘の詳報と周辺の図は2面。

チェス共和国の人口は78万4,600人、兵力は15万4,800人。皇国側は森に残した部隊で戦いを続けている。

戦況エスペランサ2

旧首都へ、皇国軍が反撃
森の陣地から攻撃

皇国軍、敵に1,700人の損害 
チェス軍も応戦

エスペランサ旧首都と隣の森、南方の海の戦況図
チェス軍が占領したエスペランサ旧首都と、皇国第1軍が布陣する隣の森。南の海では商船への雷撃も起きた。

エスペランサ皇国の第1軍歩兵は、首都エスペランサに隣接する森から、旧首都市街に入ったチェス=シロバキア共和国第3軍歩兵を攻撃した。皇国側はチェス軍に1,700人の損害を与え、反撃で700人の損害を受けた。

チェス軍は今週、首都の領有を確保した。皇国軍は森の陣地を維持し、戦闘は都市と森が接する一帯で続く。首都市街の奪回には至っていない。

皇国政府が次の首都を定めないなか、旧首都の周辺で戦闘は続いている。

正体不明の駆逐艦、チェス商船に魚雷

エスペランサ南方の海域で、所属の明らかでない駆逐艦がチェス共和国の商船を魚雷で襲撃した。別の駆逐艦も同じ商船に向けて発射を始めた。船体からは黒煙が上がった。商船は沈んでいない。

相手に与えた損害
皇国軍1,700人
チェス軍700人
戦況旧政府残党3

残党、首都を東へ移す
守る町が「プライム」

なのです軍、東西から攻撃 
支配する人口は3,900人

新しいプライムと東西の部隊の戦況図
残党の山岳兵が守る新しい「プライム」。西にはなのです軍の山岳兵、東には装甲兵。

シンジケート連邦の旧政府残党は、首都の名をさらに東方の町へ移した。第125期、それまで「プライム」と呼んでいた都市をなのです主義人民共和国軍に占領され、次の首都を定められずにいた。今週、隣の町に同じ名を掲げた。

新たな「プライム」は残党の支配下にあり、町には山岳兵が布陣している。西側の、前に首都だった地点にはなのです軍の山岳兵、東側には同軍の装甲兵が進出し、町を守る残党軍を両側から攻撃した。旧首都の西でも、なのです軍の海兵と装甲兵が、残党側の歩兵と撃ち合っている。

今週、なのです軍が残党側に与えた損害は8,500人。残党側は反撃し、なのです軍に3,000人の損害を与えた。これまでの戦果は、なのです軍が約7万9,900人、残党側が約3万6,200人である。

なのです軍は市街のほか、山間と海底油田へも占領地を広げた。占領した町と都市からは、食料2万6,300トンと2万9,300トンを接収した。合わせて5万5,600トン。

残党側の人口は前週の2万5,600人から3,900人へ減った。残党軍の兵力は3万1,900人、なのです軍は46万3,400人。東西から攻撃を受ける新しい「プライム」で、山岳兵が抗戦を続けている。

首都「プライム」の経緯
第121期本来の首都を占領された
第122期東方の町を「プライム」と称した
第123期その町が陥落
第124期隣の都市に名を移した
第125期その都市も陥落
第126期山岳兵のいる隣町へ名を移した
戦況黒潮4

カペレナ軍、黒潮首都の守備隊を攻撃

歩兵同士の交戦 
首都は黒潮の支配下

カペレナ王国軍の北部攻撃隊が、黒潮自治国の首都に陣取る第1方面軍を攻撃した。黒潮軍も反撃し、首都は今週も自治国の支配下にとどまった。

黒潮戦線では、カペレナ王国軍が今週5,200人の損害を敵に与え、黒潮軍も2,000人の損害を与えた。これまでの戦果はカペレナ側11万7,000人、黒潮側8万6,000人である。

カペレナ王国軍の兵力は14万4,600人、黒潮軍は8万6,000人。守備隊が抗戦するなか、南方の都市フィルノアにも艦砲が落ちた。

フィルノア再び艦砲の下に

黒潮自治国の都市フィルノアに艦砲が当たり、市街の人口は前週の6,700人から5,000人になった。この1,700人は、市街への艦砲で死んだ人である。戦艦は、市街の隣で空兵がいる地点へ撃った。

前号までにも、この市街は艦砲を受けている。減った分は、いずれも市街への艦砲である。砲撃は、首都への攻勢と並行して続いた。

フィルノアの人口
第122期9,100
第123期8,200
第124期7,400
第125期6,700
第126期5,000
曇り空の波止場と、沖の煙
フィルノアの波止場。曇りの空の下、沖に煙が見える。
相手に与えた損害
今週これまでの戦果
カペレナ5,20011万7,000
黒潮2,0008万6,000
社会人と火5

スルガから狐へ
4万6,800人が移住

職を求めて移る 
教団の人手不足は10,800人に

荷物を背負い、町へ向かう二人
荷物を背負い、町へ向かう人々。

スルガから狐っ娘の尻尾教団へ、4万6,800人が仕事を求めて移住した。教団の働き手不足は前号の6万5,000人から10,800人になった。

スルガの人口は14万1,800人から9万7,100人に減った。教団の人口は10万8,000人から16万2,200人に増えた。

教団の町には、住まいと働き口を求めて人が移ってきた。祭礼を重んじる教団で、町の暮らしは変わり始めている。

なのです主義人民共和国から青海共和国へも、1万100人が移住した。青海の人口は38万4,900人から40万3,700人になり、前号に9,100人あった働き手の不足はゼロになった。スルガの不足は、前号も今号もゼロである。

九つの都市・町で火災 被害3万4,900人

各地で火災が相次ぎ、九つの都市と町で3万4,900人が犠牲になった。最大は青海共和国の都市の6,000人。チェス=シロバキア共和国では都市一か所と町四か所が被災し、合わせて1万7,400人。なのですの二つの町では4,500人と3,700人、泰平天国の町では3,300人だった。

緑丘、人手不足13万9,700人

緑丘公国の労働力不足は13万9,700人になった。前号の3万9,300人から100,400人増えた。農場や工場を支える人が足りない。

公国の人口は2万5,300人、兵力は7万1,000人。

黒潮自治国の不足は1万5,400人から6,600人に減った。泰平天国は1万6,800人からゼロ、青海共和国も前号までの不足がなくなった。

今週の移住
経路人数
スルガから狐へ4万6,800
なのですから青海へ1万100
火災による犠牲
人数
青海の都市6,000
チェスの都市5,000
チェスの四つの町1万2,400
なのですの町4,500
なのですの別の町3,700
泰平の町3,300
合計3万4,900
働き手の不足
前号今号
緑丘3万9,30013万9,700
狐6万5,00010,800
黒潮1万5,4006,600
泰平1万6,8000
青海9,1000
経済相場と国庫6

弾薬、93.09に続伸
工業品は値下がり

木材も上昇 
なのですの国庫は846億円減

弾薬の相場は前号の91.76から93.09に上がった。木材は3.20から3.32へ上がり、工業品は70.01から69.61へ下がった。鋼鉄、石油、燃料、石材、鉱石は前号と同じである。

エスペランサの首都陥落、旧シンジケート領の戦闘、黒潮への攻撃と、各地で戦争が続いた週でもある。品目ごとの相場は別表にまとめた。

なのです国庫、846億円減

なのです主義人民共和国の国庫は5,760億円で、前号の6,606億円から846億円減った。オリョルッル王国は10,986億円から7,559億円へ減った。泰平天国は10,238億円から12,371億円になり、2,133億円増えた。

なのですの民間食料、38万トン

なのですの民間食料在庫は38万トンで、前号の35万3,000トンから2万7,000トン増えた。カペレナ王国は38万9,700トン、チェス共和国は35万3,200トン、オリョルッル王国は32万9,900トン。黒潮自治国と旧政府残党の民間の倉は、前号に続き空である。黒潮の国の食料は97万6,200トン、残党は23万7,500トン。

競売に食料、石油、弾薬

緑丘公国と黄砂同盟は、食料600を売り出し、提示価格は緑丘が726、黄砂が811だった。旧政府残党は石油と石材を出品した。落札ではなく、今号の出品である。量と値の単位は掲示のまま載せた。

動いた相場
前号今号差
弾薬91.7693.09+1.33
木材3.203.32+0.12
工業品70.0169.61−0.40
民間の食料在庫(トン)
カペレナ389,700
なのです380,000
チェス353,200
オリョルッル329,900
黒潮0
残党0
出品中(未落札)
出し手品量値
緑丘食料600726
黄砂食料600811
青海工業品8532
黄砂工業品8532
残党石油83537
白波石油83537
残党石材107539
青海石材103535
スルガ木材187538
銀嶺弾薬6495

交易の指標はあろあろ2,120、泰平2,049、青海1,535。航海の回数は青海435、黒潮223、緑丘41。

気象空と海7

北端で雪域が広がる
前週の倍、42区画

電都は晴れ、新しい「プライム」は雨

第126期の天気図
晴れ3,663、曇り3,134、雨1,254、雪42、雷7。雪は北の縁に集まる。

世界の北端の雪は、前週の21区画から42区画に増えた。雪は北の縁に集中している。

雨は1,254区画、晴れは3,663区画、曇りは3,134区画、雷は7区画だった。電都、エスペランサの旧首都、黒潮の首都は晴れ。残党が新たな首都とした「プライム」、オリョルッル、天都は雨。フィルノアとカペナグラードは曇り。緑丘とピーヘンは晴れ。

漁場は16か所、うち1か所は休み

漁場は16か所、計156区画で、前号と変わらなかった。14か所126区画が潮目にあり、寒流沿いが2か所30区画。1か所は操業を休んでいる。下の図は海流で、漁場の位置は描いていない。

主な都の空
電都晴れ
新しい「プライム」雨
前の首都だった地点曇り
エスペランサ旧首都晴れ
フィルノア曇り
黒潮の首都晴れ
カペナグラード曇り
オリョルッル雨
天都雨
緑丘晴れ
ピーヘン晴れ
第126期の海流図
赤が暖流、青が寒流。漁場は描いていない。
入門第18回8

徴兵した兵は、いつ配備できる?

第18回 予備兵と兵站基地 
更新をまたいで配置する

徴兵を指示町の人口の半分が対象
→
更新の終わり予備兵に加わる
→
次の更新部隊を配置できる

軍隊を増やすには、まず徴兵で予備兵を確保し、その予備兵で部隊を配置する。徴兵と配置は別の手続きである。増えた兵が使えるようになる時期に、注意が要る。

町の人口が半分になる

徴兵は自国の町で行う。費用は10億円で、実行に期は要らない。指定した町の人口の半分が予備兵に回り、町に残る人口も半分になる。人口2万人の町なら、町は1万人になり、1万人が予備兵に加わる。減るのは、その町の人口である。

使えるのは次の更新から

新しい兵が予備兵に加わるのは、その更新の終わりである。同じ更新のうちに、徴兵したばかりの兵で部隊は置けない。配置は次の更新になる。予備兵も前線の部隊も、農場や工場の働き手には入らない。食料は食べる。

置く場所と、兵站基地

配置の費用は5億円。期は要らない。置ける場所は、兵站基地、首都、現代都市、軍港など。一つの地点の上限は2万5,000人。置くには、すでに使える予備兵が要る。

兵站基地は、平地か自国の町に建てる。その場所か隣に、自国の陸か港が要る。隣の海に艦船がいるだけでは足りない。費用は10億円、新設には1期が要る。建てた土地は自国のものになる。すでに建っている基地の軍団の指定を変えるときは、期は要らない。他国から見ると、兵站基地は森に見えることがある。

今号、オリョルッル王国は(14,41)をはじめ複数の町で徴兵し、部隊の配置も行った。兵力は45万7,000人。今週徴兵した兵は、同じ更新では配置できない。徴兵と配置は、別々の手続きである。

次回は、船と造船。

三つの手続き
操作費用期
徴兵10億円0期。反映は更新の終わり
部隊の配置5億円0期。使える予備兵が要る
兵站基地の新設10億円1期。陸か港が隣に要る
国特集オリョルッル9

七つの丘にパンの香り
雨のオリョルッルを歩く

鐘見の坂から谷の市場へ 
丘ごとに違う七種の味

雨の石段と、パンを並べた店、遠くの鐘楼
雨の石段。店先にパンが並び、向こうに鐘楼が見える。

オリョルッル王国の首都に雨が降る朝、鐘楼へ続く石段には傘を寄せる買い物客がいた。谷の市場へ下る坂は「鐘見の坂」。鐘の音が聞こえるあたりまでを近所と呼ぶ。朝の鐘が、パン屋の仕事始めを告げる。

坂の下の「谷の窯」は、七つの丘から伝わった七種類のパンを売る。山羊の乳を練り込んだもの、砕いた豆を挟んだもの、表面にチーズの皮を焼きつけたもの。平たい盆に七種を並べると、丘ごとの味がそろう。

「どこの丘のパンが本家かって。そんなことを聞けば、七つとも自分が本家だと言い出しますよ」

窯の前で焼き上がりを待つ客が笑った。谷の市場では、パンを手にした人々が軒下で足を止め、雨の弱まるのを待っていた。

石段を行く運び屋

雨にぬれた鐘見の坂は滑る。荷を運ぶ者は籠を一度に抱えず、分けて谷まで運ぶ。三番丘から来た運び屋は、同じ石段を朝のうちに二度下りた。

住民は、生まれた丘の名を添えて自分を話す。「七つの丘から国が始まった」という伝承は、今も暮らしの中にある。祝いの日には川辺に長い食卓を並べる。今朝は雨を避け、盆と長卓が軒の下に寄っていた。

兵を増やした朝も、パンは焼ける

王国は今週、複数の町で徴兵し、人のいない土地の整備も進めた。兵力は45万7,000人。いずれの国とも戦争はしていない。雨の鐘見の坂では、昼が近づくと谷の窯から次の盆が出て、軒下の客が石段へ向かった。

王国の横顔
人口59万5,800
兵力45万7,000
食料161万5,700トン
国庫7,559億円
働き手の不足0
戦争していない
首都の空雨

七つの丘のパン

谷の窯では、七つの丘のパンを一盆に盛る。山羊乳、豆、焼きチーズ。味も生地もそれぞれ違う。雨の日は石段が滑るので、軒下で焼き上がりを待つ人が多い。

次回の国特集は、胡椒帝国。

文化夜祭10

孔雀色が夜を染める
ピーヘンの仮面祭

無地の仮面で役を演じ分ける 
灯のともる舞台に人が集う

布を掛けた夜の舞台と、白い仮面の踊り手
夜祭の舞台に掛けられた布。灯の下に、白い仮面の踊り手がいる。手前には果実。

オラニウム連邦の首都ピーヘンで、孔雀色の布を軒先に掛ける夜祭が開かれた。通りの小さな舞台は、日が落ちると灯がともり、足元から人を照らし始める。

祭りの仮面は、模様のない白一色である。踊り手は、歩幅と足の運びで役を分ける。客は仮面の下の顔を見ず、足音と身のこなしを追う。

舞台の前には果実と香料茶の露店が出る。開演前、まだ灯のそろわない舞台では、踊り手たちが布の陰で出番を待った。

灯と足音

この祭りでは、舞台の灯を決まった順でともす。灯がそろうまで客席の話し声は少なく、最後の灯がつくと、舞台脇で笛が鳴った。白い仮面は明かりを受け、背後の布は深い青や緑に変わる。踊り手は言葉を発さず、歩き方で物語を進めた。

書評 『灯の順番』

祭りの日に舞台裏を任された少年が、灯の順を間違え、舞台を暗がりに残す。踊り手は幕の陰で待ち、客席はざわめきかける。最初に声を掛けたのは、果実を売る女だった。女は器を一つ差し出す。少年は最初の灯へ戻り、今度は正しい順で明かりをともす。

大きな事件は起きない。失敗のあと、誰も急いで結末を求めない時間が、この短編の中心である。最後の灯がついても、少年をたたえる言葉はない。祭りはただ始まる。

詩 夜祭のあと

白い面を外した人が
裏通りの水桶で顔を洗う。
舞台に残る布はまだ青く
夜風がその裾を持ち上げる。

売れ残った果実を抱え
店じまいの女が橋を渡る。
遠くで一度、笛が鳴り
石段から最後の客が立った。

灯を消した通りに
いつもの窓明かりが戻る。
祭りの色をしまいこんで
ピーヘンの夜は静かに更ける。

オラニウムの横顔
人口170,300
兵力3万7,500
戦争していない
首都の空晴れ

編集後記

今号の一面には、陥落した首都の広場を置いた。別の町では火災があり、多くの人が犠牲になった。載せる絵を選んでいると、兵と荒れた町が多くなる。

ピーヘンの祭りには、白い仮面の踊り手と、果実の露店があった。大きな出来事のない夜にも、書き留めるものはある。