夕刊
第125期
トレーディア新聞社
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トレーディア
新聞THE TREDIA SHIMBUN
トレーディア暦2年8月第2週
夏季
本日11面
主な記事 「プライム」再び陥落 期杯、電都へ フィルノアに艦砲 皇国の首都で攻防 灰岩へ1万4,300人 弾薬91.76 国特集 アルガリスト
総合旧政府残党1

旧政府残党の「プライム」再び陥落

東方の四都市・町を制圧 
残党は新首都を示さず

シンジケート連邦の旧政府残党が「プライム」と称していた東方の都市が、なのです主義人民共和国軍の占領下に入った。残党が旧首都の名を移してから、わずか一週。再び拠点を失った残党側は、次の首都を発表していない。

旧プライムは第121期になのです軍が占領した。その後、残党は東方の町を新たな「プライム」としたが、第123期に陥落。第124期にはさらに隣の都市へ首都名を移していた。今回、その都市にもなのです軍が進駐した。第119期、親なのです派の政変で政権を失った旧政府勢力は、東方へ拠点を移しながら抗戦を続けてきた。

なのです軍は今週、改称した都市のほか、三か所の都市と町を占領した。食料を接収したのは、その三か所である。合わせて11万500トン。軍事拠点と食料の集積地が次々に奪われ、残党の支配地域は一段と狭まった。

残党側の人口は、前号の6万7,400人から2万5,600人へ急減した。兵力は3万8,400人で、なのです軍の47万400人とは大きな開きがある。旧プライム周辺では戦闘が続き、今週はなのです軍が相手に7,000人、残党側が3,500人の損害を与えた。

首都の名を掲げた都市が失われても、残党軍の抵抗は続く。追撃を進めるなのです軍と、次の拠点を示さぬ旧政府残党。旧プライムの東方では、なお両軍の部隊が向き合っている。

泥の道を進む兵士と、荷を抱えて行き交う住民
泥の道を進む兵士と、荷を抱えた住民。旧政府残党が「プライム」と称していた東方の都市は、なのです軍の占領下に入った。
奉祝第百二十五期杯2

栄光燦たり、
なのですの御代

第百二十五期杯、遂になのですへ
電都、空前の奉祝に沸く 
万民歓喜、共和国の栄誉を寿ぐ

国旗と祝賀門が連なる電都中央大通りと、中央を進む軍楽隊
電都中央大通り。国旗と祝賀門が通りを埋め、軍楽隊が中央を進む。

なのです主義人民共和国は第百二十五期の褒賞式において、栄えある期杯を受賞した。建国以来の輝かしき歩みを象徴するこの栄誉に、首都電都は歓喜の渦に包まれた。街頭には国旗が翻り、官庁、学校、工場、商店の軒先には紅白の幕が張り巡らされ、共和国は挙げて歴史的盛事を奉祝した。

受賞の吉報が電都に達したのは、晴れ渡る夏空の下であった。正午を期して祝賀の鐘が鳴り響くと、市内各所の広場に集まった市民は一斉に万歳を三唱。電都中央大通りには「祝・第百二十五期杯受賞」「なのですの栄光、万世に輝かん」の大旗が掲げられ、街路を埋め尽くす群衆の歓声は、いつ果てるともなく続いた。

嗚呼、輝く建国の理想

今回の受賞に際し、共和国政府は特別奉祝声明を発表した。

「なのですの旗の下に結ばれた人民の勤勉と団結は、今日ここに輝かしき実を結んだ。第百二十五期杯の栄誉は一個人、一地方のものにあらず。建国の大業に尽くした先人と、現在を担う幾十万人民すべてのものである。われらはこの光栄を胸に、なのです主義の理想をいよいよ高く掲げ、共和国の無窮の繁栄に邁進せん」

電都中央広場では、政府要人、各地の代表、軍将兵、学生団体らが参列して奉祝大典が挙行された。壇上には期杯をかたどった巨大な記念塔が据えられ、その頂には共和国の象徴たる星章が燦然と輝いた。

式典では建国の歩みをたたえる祝辞が相次ぎ、人民合唱団による奉祝歌「なのですの旗は輝く」が高らかに歌い上げられた。結びには参列者全員が起立し、共和国のさらなる発展を祈念して万歳を三唱した。

祝賀の旗、津々浦々に

奉祝行事は首都のみならず、共和国の全土に及んだ。

農村では収穫を飾った祝賀門が建てられ、各工場では従業員が国旗の下に整列して受賞を祝った。学校では児童らが小旗を手に奉祝歌を斉唱し、各地の広場では記念の演奏会や競技大会が催された。

電都では夕刻より盛大な提灯行列が始まった。中央大通りを進む幾万の灯火は、遠くから望めば光の大河さながら。沿道の建物には祝賀の電飾がともされ、夜空には色とりどりの花火が打ち上げられた。

行列に加わった老農は、感激に声を震わせて語った。

「このような晴れの日を迎えようとは、まことに夢のようです。子や孫にも、今日のことを語り伝えたいのです」

その傍らでは、幼い児童たちが声をそろえて「なのです万歳」と叫び、旗を振り続けていた。

勝利の栄冠、未来永劫に

第百二十五期の褒賞式では、戦神の剣がカペレナ王国および桃谷連邦共和国に、鉄壁の盾が黒潮自治国および桃谷連邦共和国に授与された。

しかし、期杯を戴く栄誉は、なのです主義人民共和国に帰した。

かつて幾多の困難を乗り越え、今日の繁栄を築き上げた共和国。その歩みは今や第百二十五期という記念すべき時を迎え、輝かしい一つの頂点に達したのである。

期杯は今後、電都の共和国記念殿堂に安置され、広く人民の拝観に供されるという。

電都の空高く、奉祝の花火が最後の光芒を描いたころ、中央広場では再び万歳の声が湧き起こった。

栄えある第百二十五期杯、なのですに輝く。

ああ、なのですの国運、いよいよ隆昌ならん。

奉祝歌、電都の空に轟く

「なのですの旗は輝く」街頭斉唱版。作詞は共和国奉祝歌制定委員会。作曲は電都中央音楽院。

第一番 栄光の期杯

朝日に映ゆる 電都の空に
なのですの旗 高くして
建国の理想 受け継ぎて
栄えある今日を 迎えたり
ああ燦然と 輝くは
誉れの期杯 我が祖国

第二番 奉祝の都

電都の街に 旗なびき
奉祝の鐘 鳴り渡る
老いも若きも 声合わせ
歓喜の歌を 高らかに
ああ第百二十五期
千代に語らん この誉れ

第三番 国運隆昌

オリョールの森 朝ぼらけ
古き壁画に 光さす
祖先の歩み 偲びつつ
未来の道を 拓くべし
ああ我が祖国 なのですよ
永久に輝け その御旗

なのです万歳! なのです万歳!
なのです主義人民共和国万歳!

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祝 第百二十五期杯受賞

なのですの栄光、万代に輝かん

電都中央大通り

戦況旧プライムの周囲3

旧プライム西方で激戦
海兵・砲兵・装甲が攻撃

東方では山岳兵が交戦 残党は抗戦を続ける

旧政府残党が東方の拠点を失った今週も、旧首都プライム周辺では戦闘が続いた。西方では、なのです軍の海兵、砲兵、装甲兵が残党側の歩兵を攻撃。残党軍も海兵に反撃し、戦線の両側から砲火が交わされた。

なのです軍は旧プライムを足場に西側へ攻撃を加えている。残党側の歩兵は海兵、砲兵、装甲兵にさらされながら応戦した。東方では両軍の山岳兵が交戦し、なのです軍による都市占領が進むなか、残党側の部隊も戦場にとどまっている。

今週、なのです軍が旧政府残党に与えた損害は7,000人。残党側は3,500人の損害をなのです軍に与えた。開戦以来の戦果は、なのです側約7万1,400人、残党側約3万3,200人に達した。

残党側の兵力は3万8,400人、なのです軍は47万400人。兵力差は大きいが、西方の歩兵、東方の山岳兵とも抵抗を続けている。旧首都を挟む攻防は、なお終息していない。

今週・開戦以来の戦果(相手に与えた損害)
なのです残党側
今週7,0003,500
開戦以来約7万1,400約3万3,200
今週の国勢
人口兵力
なのです79万5,90047万400
残党2万5,6003万8,400
旧首都プライムの西と、第124期にプライムと呼ばれた都市の東の戦場

西の戦線は旧首都プライム。海兵、砲兵、装甲兵が残党の歩兵と向き合っている。図の「プライム」は、第124期にそう呼ばれた東方の都市。その東では山岳兵が向き合っている。

戦況フィルノア4

フィルノアに再び艦砲
市街で700人が死亡

市の人口は6,700人 戦艦は隣の空兵陣地へ

カペレナ王国の巡洋艦が黒潮自治国の現代都市フィルノアを砲撃し、市街地に砲弾が命中した。市の人口は前号の7,400人から6,700人になった。

フィルノアの人口は、第122期の9,100人から第123期に8,200人、第124期には7,400人へと減ってきた。今号までの2,400人は、いずれも市街への艦砲による犠牲である。市の工場は前週までに失われており、工業施設の消失と艦砲の被害が相次いでいる。

今週はカペレナの戦艦もフィルノア付近で砲撃を行い、市に隣接する黒潮の空兵陣地を攻撃した。陸上ではカペレナの歩兵と装甲兵が黒潮側の歩兵・空兵と交戦し、黒潮軍も応戦した。

カペレナ軍が今週与えた損害は5,200人、黒潮側は1,700人。開戦以来の戦果は、それぞれ11万1,800人と8万4,000人となった。黒潮の首都に隣接する山も新たにカペレナ軍の占領下に入った。

黒潮自治国全体の人口は前号の4万6,700人から3万6,300人へ減少した。戦火はフィルノアだけでなく、首都周辺の陸上戦線にも広がっている。

フィルノアの人口
期人口
第122期9,100
第123期8,200
第124期7,400
今号6,700
今週・開戦以来の戦果(相手に与えた損害)
カペレナ黒潮
今週5,2001,700
開戦以来11万1,8008万4,000
フィルノア市街への巡洋艦砲と、隣の空兵陣地への戦艦砲、首都隣の山

巡洋艦の砲はフィルノアの市街へ、戦艦の砲は隣接する空兵陣地へ当たった。黒潮の首都に隣接する山は、カペレナの占領下に入った。

戦況皇国と黄砂5

エスペランサ首都で攻防
皇国軍が敵歩兵を攻撃

チェス側に1,700人の損害 首都はなお皇国領

エスペランサ皇国の首都エスペランサで、皇国軍とチェス=シロバキア共和国軍の戦闘が続いた。首都内にはチェス側の歩兵部隊が展開しており、皇国軍は隣接地から攻撃を加えた。

皇国軍は今週、この戦闘でチェス軍に1,700人の損害を与え、自軍も1,000人の損害を受けた。前号に続く首都での交戦である。市街地の領有は引き続き皇国側にあるが、敵部隊は首都から退いていない。

エスペランサ皇国の人口は3万3,500人、兵力は2万9,800人。相対するチェス=シロバキア共和国は人口75万2,400人、兵力15万5,700人を擁する。国力の差が大きいなか、首都をめぐる交戦は続いている。

チェス商船に魚雷命中

中立海域でチェス=シロバキア共和国の商船が駆逐艦の魚雷攻撃を受けた。船体から黒煙が上がったが、沈没は免れた。現場はチェスの首都近海。

黄砂同盟、三国との戦争継続

黄砂同盟は青海共和国、緑丘公国、黒潮自治国との戦争を続けている。青海との戦争は第6週、緑丘とは第5週、黒潮とは第4週に入った。

黄砂の兵力は3万8,000人。青海は8万2,200人、緑丘は7万1,000人、黒潮は8万9,700人を擁する。黒潮はこのほかカペレナ王国とも交戦しており、複数の戦線を抱えている。

今週の首都周辺(損害)
与えた受けた
皇国1,7001,000
黄砂をめぐる国全体の兵力
兵力週
黄砂3万8,000
青海8万2,200第6週
緑丘7万1,000第5週
黒潮8万9,700第4週
エスペランサの首都にいるチェス歩兵と、離れた海で煙を上げる商船

首都の領有は皇国のまま。チェスの歩兵が首都にあり、皇国の歩兵は隣から撃っている。下の海では、駆逐艦の魚雷が商船に当たった。沈んではいない。

社会人の移動6

灰岩へ1万4,300人
働き手不足は解消

なのですから職を求めて移動 王国の人口は7万7,000人

なのです主義人民共和国から灰岩王国へ、職を求める1万4,300人が移り住んだ。王国は移民を受け入れ、前号に1万4,300人だった働き手不足は今週、ゼロとなった。

灰岩の人口は60,700人から7万7,000人に増えた。一週で1万6,300人の増加である。移住者の受け入れとともに、働き手を欠いていた王国の雇用は大きく変わった。

異国で新たな職を求める人々にとって、仕事だけでなく住まいや家族の暮らしも重要になる。急増した人口を迎えた灰岩では、職場に加えて日々の生活を支える町の営みが問われている。

白波など五都市・町で火災 犠牲2万4,300人

各地で火災が相次ぎ、白波王国、チェス=シロバキア共和国、青海共和国、なのです主義人民共和国の計五つの都市と町で、2万4,300人に被害が出た。

最大は白波王国の都市の7,000人。チェスの都市で5,700人、青海の都市で5,400人。なのですの二つの町では3,300人と2,900人だった。

緑丘の働き手不足3万9,300人

黄砂同盟との戦争を続ける緑丘公国で、働き手の不足が一段と大きくなった。前号の1万4,600人から今週は3万9,300人に増え、不足人数は2万4,700人拡大した。国の人口は2万5,000人にまで減っている。

泰平天国でも、前号にはゼロだった働き手不足が1万6,800人に達した。黄砂同盟は1万3,100人から1万3,700人へ増えた。黒潮自治国は1万5,800人から1万5,400人へ減り、灰岩王国では移民受け入れ後に不足が解消した。

農場や工場を動かす人員の確保は、各国の経済に重くのしかかる。緑丘では戦争を続けながら、民間の仕事を支える労働力の確保も迫られている。

オリョルッル人口58万3,500人に

オリョルッル王国の人口は、前号の61万4,400人から58万3,500人へ減った。一週で30,900人の減少となった。

火災による犠牲
人数
なのですの町3,300
なのですの別の町2,900
青海の都市5,400
白波の都市7,000
チェスの都市5,700
週の合計2万4,300
働き手の不足
前号今号
緑丘1万4,6003万9,300
黒潮1万5,8001万5,400
黄砂1万3,1001万3,700
泰平01万6,800
灰岩1万4,3000
経済相場と民間7

弾薬相場91.76に上昇
工業品は70.01へ下落

民間の金融資産は泰平が首位

世界市場で弾薬の相場が続伸した。今週は91.76となり、前号の91.49を0.27上回った。工業品は70.75から70.01へ0.74下落し、軍需品と工業品で値動きが分かれた。

木材は3.20。鋼鉄12、石油7.2、燃料6.8、石材5.6、鉱石4.8は前号の水準にとどまった。各地で戦争が続くなか、弾薬の値上がりが市場の動きとして目立っている。

民間の金融資産、各国の統計から

公開の統計には、各国の民間金融資産が並ぶ。現金と預託に、手元の在庫と輸送中の資源を相場で評価した分を加えた額で、船や建物は含まない。首位は泰平天国の98,359億円。狐っ娘の尻尾教団が97,172億円、あろあろ国が96,691億円、なのですが95,076億円と続く。

貿易の純収支は、台帳を取り始めてからの累計である。黒字の大きいのは黄砂同盟の13,460億円、スルガの8,524億円、白波王国の7,958億円。赤字の大きいのは胡椒帝国の8,313億円、オラニウム連邦の8,066億円、テキスタン共和国の7,770億円。

民間の現金と預託では、オリョルッル王国の11,243億円が最も多い。なのですの国庫は、前号の7,007億円から6,606億円へ401億円減った。国庫は政府の資金で、民間金融資産とは別に集計されている。

民間の食料在庫は、自国の倉庫と輸送中、他国の港に預けた分を合わせたもの。統計の百トン単位をトンに直すと、カペレナは390,000トン、なのですは353,000トン。黒潮と旧政府残党の民間食料は、今週の表ではゼロだった。民間船はあろあろ15隻、泰平12隻、青海10隻、なのです9隻。

戦時下の食料競売

各国の競売には今週、食料のほか弾薬、燃料、石油が出品された。交戦中の緑丘公国は食料600を691、黄砂同盟は同じく食料600を772で売り出している。

弾薬は金野伯爵領が6を375、紅峰が6を473で出品。紅峰は燃料88を538、旧政府残党は石油83を537で掲示した。敵対する国々も売り手として市場に現れ、資源の売り注文が並んでいる。

交易の指標と航海

今週の交易指標は、あろあろ国が2,120、泰平天国が2,017、青海共和国が1,535となった。航海回数では青海424回、黒潮219回、緑丘38回が記録された。

動いた相場
前号今号差
弾薬91.4991.76+0.27
工業品70.7570.01−0.74
木材3.23.20同じ
前号と同じ相場
鋼鉄12
石油7.2
燃料6.8
石材5.6
鉱石4.8
民間金融資産と貿易の累計(億円)
金融資産貿易累計
泰平98,359−5,006
狐97,172−436
あろあろ96,691+1,514
なのです95,076−2,355
胡椒92,905−8,313
残党73,708−2,331
黄砂31,006+13,460
白波24,748+7,958
黒潮13,807+449
民間の食料在庫(トン)
カペレナ390,000
なのです353,000
チェス353,700
オリョルッル330,800
黒潮0
残党0
出品中(未落札)
出し手品量値
緑丘食料600691
黄砂食料600772
金野弾薬6375
紅峰弾薬6473
紅峰燃料88538
残党石油83537
交易の指標
あろあろ2,120
泰平2,017
青海1,535
航海の回数
青海424
黒潮219
緑丘38
気象空と海8

北端に雪21区画
雨域は1,268区画に

天都、黄砂、緑丘、オリョルッルは雨

第125期の天気図。雪は北の端

世界北端の地域では今週も雪が降った。降雪域は21区画となり、前号に続いて北方に雪雲がかかった。雨域は前号の1,260区画から1,268区画へわずかに広がった。

晴れは3,643区画、曇りは3,161区画、雷は7区画だった。天都、黄砂同盟、緑丘公国、オリョルッル王国の各首都では雨。電都、旧プライム、黒潮自治国の首都、エスペランサなどは晴天となった。

今週の主な空
雨天都、黄砂の首都、緑丘の首都、オリョルッル
曇り旧政府残党が「プライム」と呼んだ都市、カペナグラード、フィルノア、テキシャ、アルガリスト
晴れ電都、旧プライム、黒潮の首都、エスペランサ、狐っ娘の首都、アロランド、スルガ

遠洋漁船4隻
魚を満載して帰港へ

海流の図。赤が暖流、青が寒流

なのです主義人民共和国の漁船4隻が、漁獲物を満載して帰港の途に就いている。各船とも積載量は上限の300に達した。

世界の漁場は前号と同じ16か所、総面積156区画。寒流沿いの2か所が30区画、暖流と寒流の潮目にできた14か所が126区画を占める。このうち1か所は今週、操業を休んでいる。下の図は海流を示す。暖流を赤、寒流を青で表示する。

入門工場9

第17回 工場の三方式
建設の条件

軽工業・重工業・先端工業の原料と生産物

工場では原料に応じて生産方式を切り替えられる。基本となるのは軽工業、重工業、先端工業の三方式。必要な資源と生産物が異なるため、自国の備蓄や必要な軍需物資を確かめて選ぶ。

軽工業・重工業・先端工業

軽工業は食料2を消費して工業品1を生産する。重工業では鋼鉄2から工業品1と弾薬1を作る。先端工業は鉱石2を使って工業品1を生産する。方式によって燃料の消費割合も変わる。三方式の入出力は下の図のとおり。

食料2
→
軽工業
→
工業品1
鋼鉄2
→
重工業
→
工業品1、弾薬1
鉱石2
→
先端工業
→
工業品1

精製所・軍需工場・発電所

精製所は石油2を燃料3に加工する。軍需工場では工業品1と鋼鉄2を消費し、弾薬6を生産する。発電所は燃料を使って工業生産を増やす施設で、燃料が不足すると増産効果も小さくなる。

工場を建てられる場所

通常の工場は建設に期を要する。条件を満たす平地であれば、中立地や他国領にも建設できる。建設地点の隣には自国の陸地か港が必要で、完成した土地は建設国の領土となる。隣の海域に自国の艦船がいるだけでは建設条件を満たさない。

建設に期を使わない工場は、自国領内に限られる。建てる前に、土地の領有者と地形を確かめる。

今週の建設例

緑丘公国は、オリョルッル王国が支配していた土地に工場を建て、同地を獲得した。スルガは自国領で通常の工場を建設。なのです、チェス、オラニウムは自国領で、建設に期を使わない工場を整備した。

資源の短信

鉱山の一か所で落盤が発生し、施設の開発段階は3から2に低下、備蓄は3減った。次回は徴兵と兵站を取り上げる。

工場の作り方
方式入れるもの出るもの
軽工業食料2工業品1
重工業鋼鉄2工業品1、弾薬1
先端工業鉱石2工業品1
精製所石油2燃料3
軍需工場工業品1、鋼鉄2弾薬6
二種類の工場
通常の工場期を使わない工場
期間建設に期を使う建設に期を使わない
土地平地なら、隣に自国の陸か港があれば中立や他国でも自国の土地だけ
完成後その土地は自国になる自国の土地のまま

注 隣の海に艦船がいるだけでは、その隣には数えない。

国特集アルガリスト10

古書と星の坂を歩く
アルガリストの都

製本の仕事場、学院食堂、曇り空の観測所

古書の露店、紙箱を運ぶ人、星形の菓子、湯気の立つ鍋、遠くの丸い屋根
古書商と食べ物の屋台が並ぶ首都の通り。本を積む人、紙の箱を運ぶ人、星形の菓子、湯気の立つ鍋がある。遠くに丸い屋根が見える。

古書の屋台が並ぶ通りを抜けると、アルガリスト帝国の首都の坂道に出る。軒先に積まれた本をめくる客の横を、紙の箱を抱えた職人が通り過ぎていった。星見の坂の上には、小さな観測所の丸い屋根が見える。

古書通りには、擦り切れた表紙を繕う製本職人や、印刷用の紙を運ぶ人々が集まる。店をのぞけば、頁を一枚ずつ確かめる手と、売り物の本を積み上げる手が忙しく動いている。

昼どきは学院食堂がにぎわう。豆を煮込んだシチューと焼きたてのパンを求めて、学生に交じって印刷所の職人や荷運びの男たちも席についた。書物の話が続く卓の隣で、厨房の鍋は休む間もなく煮立っている。

星見の坂へ向かうにつれ、店先には香草茶や星形の焼き菓子が並ぶ。今週は曇り空が広がり、観測所を訪ねる客も、坂の途中で温かい茶を手にしていた。

首都に隣接して、大都市ヴァルセナがある。帝国は現在、他国と戦争をしていない。国勢は人口9万1,800人、兵力4万2,200人。国庫は1万4,261億円で、働き手は1万2,200人不足している。今週は住民によって平地一か所の開拓が行われた。

路地を行き交う学生と職人、坂の上の観測所。書物と日々の仕事が折り重なって、アルガリストの一日が過ぎていく。次回の国特集は、オリョルッル王国。

アルガリスト帝国の国勢
人口9万1,800
兵力4万2,200
食料117万5,600トン
国庫1万4,261億円
働き手の不足1万2,200
戦争していない
今週の空曇り
星見の坂を歩くなら

古書通りには、軒先に本を並べる露店が続く。昼食は学院食堂の豆のシチューとパン。坂を上れば、星形の焼き菓子と香草茶を扱う店がある。観測所へは雲が切れる日を選びたい。

文化茶と木11

茶の香りと鉋の音
スルガの路地に暮らす

椅子を直す職人 
海へ続く通り

茶店の前で椅子を直す職人と、包みを持つ客。奥に船のマスト
スルガの路地。職人が椅子を直し、茶店の鍋から湯気が立つ。通りの向こうに船のマストが見える。

スルガの首都には、海へ向かって細い路地が伸びている。朝、茶店の軒先から煎茶の香りが漂い、木工の仕事場では鉋を引く音が響き始めた。店先には茶飯を温める鍋があり、向かいでは職人が古い椅子の脚を確かめている。

「手入れすれば、まだ使える」。職人は傷んだ継ぎ目を指でなぞり、道具を取りに奥へ入った。修繕を頼んだ客は茶店の前で足を止め、湯気の立つ杯を受け取った。道具を直し、家具を繕う仕事が、毎日の商いに交じっている。

昼を迎えると、魚を焼く匂いが路地に流れる。木の葉で包んだ菓子が店先に並び、通りの向こうには船のマストが見えた。港から戻った人々が茶を飲み、職人たちは午後の仕事に取りかかる。

今期、首都の近くでは新たな工場の建設が始まった。古くからの木工や茶店に加え、生産の拠点が増える。人口14万1,800人、兵力2万人のスルガは、現在いずれの国とも戦争状態にはない。今週は晴天が続き、路地にはいつもの商いの声が響いていた。

書評『空き地の寸法』 測ってばかりの男

狭い土地を見つけると、つい巻尺を取り出す。スルガの木工店で売られる小品『空き地の寸法』の主人公は、そんな男だ。

初めは棚一つを置くつもりだった。ところが幅を測れば通り道が気になり、隣の扉を測れば棚の高さも直したくなる。寸法を記した紙は増え、肝心の棚はいつまでも出来上がらない。日常の几帳面さが、少しずつ滑稽さに変わる。

主人公が失敗しても、誰も大騒ぎしない。周りの人々は仕事を続け、茶店はいつも通り店を開ける。その静けさが、巻尺を手放せない男のせわしなさを際立たせる。

最後に男は道具を片付け、空き地をそのままにして茶を飲む。わずかな空間にすべてを詰め込もうとした男が、何も置かない場所で腰を落ち着ける。軽やかな笑いのあとに、余白が残る作品だ。

手入れ

傷のある椅子を引き寄せて、
木目の深さを指で知る。
折れた脚にもまだ残る、
昨日の客の重みがある。

鉋の粉を払うころ、
通りの向こうで湯が沸いた。
直した椅子に誰かが座り、
何も言わずに茶を飲んだ。

編集後記

今号の校了間際、スルガの木工職人の記事が届いた。折れた椅子の脚を直し、客に返す。戦況記事の見出しを組んだあとでは、そんなささやかな仕事の光景が、いつもより長く目に残る。

旧政府残党の「プライム」はまた占領され、フィルノアには艦砲が落ちた。街を移る人も、そこにとどまって店を開ける人もいる。今夜も各地で、明日の仕事の支度が始まっている。