朝刊
第122期
トレーディア新聞社
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トレーディア新聞THE TREDIA SHIMBUN
トレーディア暦2年7月第3週
夏季
本日11面
主な記事 旧政府残党、町をプライムと称す 旧首都で交戦続く フィルノア砲撃、部隊全滅 カペレナ王国を名乗る チェスが石油を拡充 国特集 狐っ娘の尻尾教団
総合残党の抵抗1

旧政府残党、東方の町を「プライム」と称す

首都失うも抵抗続行 なのです軍は周辺二都市を新たに占領

シンジケート連邦の旧政府残党が、東方の町を新たな首都と定め、「プライム」を名乗り始めた。第119期に親なのです派のクーデターによって政権を追われた旧政府勢力は、その後も抵抗を続けていたが、前期には首都プライムをなのです軍に占領されていた。今回の首都移転は、相次ぐ敗北のなかでなお抵抗を続ける姿勢を示したものとみられる。

新たにプライムを名乗る町は、旧首都の東方に位置し、人口は6,300人。これに対し、人口1万900人を擁する旧プライムは、引き続きなのです軍の占領下にある。旧政府残党は首都の名称を移すことで、失われた政権の正統性を主張する構えだ。

なのです側は前期、プライムを古来より自国固有の領土とする声明を発表している。オリョールの森で発見された古代壁画をその根拠に挙げ、同地の占領を歴史的な領土回復と位置付けた。旧政府残党が別の町に同じ名を掲げたことで、プライムをめぐる両者の主張は一段と対立を深めている。

一方、なのです軍は今期も攻勢を続け、旧プライム北方の二都市を新たに占領した。両都市の人口はそれぞれ1万600人、1万500人。占領に伴い、合計9万4,600トンの食料がなのです側の手に渡った。さらに、別の方面では採石場も制圧し、旧政府残党の支配地域を切り崩している。

新たなプライムの東方では、シンジケート側の山岳兵部隊がなおなのです軍と交戦を続けている。クーデターによる政権崩壊から首都陥落、そして新たな拠点への移転と、旧政府勢力は後退を重ねながらも武装抵抗をやめていない。

しかし、町に首都の名を移しても、失われた領土が戻るわけではない。なのです軍の進撃が続くなか、旧政府残党の支配地域はさらに狭まりつつある。

曇り空の小さな町で、荷を運ぶ人びと
旧政府残党が「プライム」と称した町。人口は6,300人。この日は曇り。旧首都はなのです軍の占領下にある。
戦況プライムの周囲2
なのですとシンジケートの戦場。旧首都と、プライムと称する町

旧首都プライムで交戦続く なのです軍、東部でも攻勢

第9軍装甲兵、残党側に3,600人の損害 今週の戦果は計7,500人

なのです軍が前期に占領した旧首都プライムでは、シンジケート旧政府残党による抵抗がなお続いている。市内ではなのです第28軍の海兵部隊がシンジケート第1軍の歩兵部隊と交戦。東方でも両軍の山岳兵が激しく衝突し、なのです軍の装甲部隊が残党側に大きな損害を与えた。

旧首都での戦闘では、なのです第28軍の海兵部隊が敵歩兵に2,100人の損害を与え、自軍の損害は100人にとどまった。一方、シンジケート側も反撃し、海兵部隊に500人の損害を与えた。この戦闘ではシンジケート側にも700人の損害が出ている。

プライム西方でも、なのです第4軍の山岳兵がシンジケート第1軍に攻撃を加え、700人の損害を与えた。なのです側の損害は100人だった。旧首都を占領された後も、残党側は周辺に部隊を残して抗戦を続けている。

一方、残党が新たにプライムと名付けた町の東方では、シンジケート第3軍の山岳兵となのです第2軍の山岳兵が交戦した。シンジケート側はなのです軍に1,600人の損害を与え、なのです側の山岳兵も反撃した。

この戦線で大きな戦果を挙げたのは、なのです第9軍の装甲部隊だった。同部隊はシンジケート第3軍の山岳兵に攻撃を加え、3,600人の損害を与えた。自軍の損害は300人で、東方における残党側の抵抗に打撃を与えた。

今週、両軍が相手に与えた損害は、なのです軍が計7,500人、シンジケート側が計3,300人に上った。開戦以来の累計戦果は、それぞれ約5万2,700人、約2万4,100人となっている。

兵力では、なのです軍が45万5,500人を擁するのに対し、シンジケート側は4万2,700人。大きな戦力差があるものの、残党側は旧首都周辺と東方の双方でなお抵抗を続けている。第119期のクーデターによる政権崩壊から旧首都陥落へと続いた戦争は、依然として終結の兆しを見せていない。

戦況フィルノア砲撃3
カペレナと黒潮の戦場の地形と部隊

カペレナ艦隊、フィルノアを砲撃 駐留部隊全滅

市の人口1,000人減少、工場も規模半減 黒潮領内で激戦続く

カペレナ王国海軍の戦艦と巡洋艦が、黒潮自治国の現代都市フィルノアに艦砲射撃を加えた。砲撃後、市の人口は1万100人から9,100人に減少。市内に駐留していた黒潮軍部隊は全滅し、近隣の工場も規模が半減するなど、都市とその周辺に大きな被害が出た。

王国艦隊はフィルノア沖に展開し、戦艦と巡洋艦から砲撃を実施した。市の人口は前期に比べ1,000人減少したが、人的被害の詳しい内訳は明らかになっていない。砲撃を受けた市街には、戦闘による被害が広がっている。

産業施設も打撃を受けた。フィルノア近郊の工場は、規模を示す数値が3万人から1万5,000人へと半減した。市街の被害に加え、地域の生産活動にも影響が及ぶおそれがある。

フィルノアに駐留していた黒潮軍部隊は、この攻撃で全滅した。部隊の人数は不明だが、市の防衛を担っていた戦力が失われたことで、黒潮側は防備の立て直しを迫られることになった。

一方、陸上でも両軍の交戦が続いた。黒潮自治国の首都方面では、カペレナ軍の歩兵部隊が黒潮第1方面軍の歩兵部隊を攻撃。さらに南方では、カペレナの装甲兵と歩兵が黒潮第32軍の空兵部隊に攻撃を加え、黒潮側も装甲兵に反撃した。

今期の戦闘で、カペレナ軍は黒潮側に計6,100人、黒潮軍はカペレナ側に計2,300人の損害を与えた。開戦以来の累計戦果は、カペレナ軍が9万4,500人、黒潮軍が7万8,600人となっている。

艦砲射撃による都市と工場の被害、駐留部隊の全滅、首都方面での地上戦。黒潮自治国は各方面で攻撃を受けており、フィルノアの被害は戦争が市民生活と産業基盤にまで及んでいることを示している。

今期の戦果(相手に与えた人数)
今期累計
カペレナ6,10094,500
黒潮2,30078,600
煙の立つ海岸の町から離れる人びと
艦砲を受けた海岸。フィルノアの空は曇りだった。
国際改称と三国4

カピア公国、カペレナ王国へ改称

軍部隊にも「王立」の名 黒潮との戦争続くなか募兵呼びかけ

黒潮自治国との戦争を続けるカピア公国が、国号を「カペレナ王国」に改めた。首都カペナグラードは従来どおりで、王国を名乗った後も黒潮との戦闘は続いている。前線では「王国北方軍」「王立北方軍」を名乗る部隊が活動しており、国号の変更は軍の呼称にも及んでいる。

王国政府は「王国軍に君も入ろう。王国は君を必要としている」と呼びかけ、軍への参加を促した。新たな国号を掲げる一方、戦争の継続を前提に兵力の確保を図る姿勢がうかがえる。

王国の人口は25万1,100人で、前号から3,700人増加した。一方、兵力は14万6,700人と800人減少。国庫も5,061億円から3,146億円へと、1,915億円減っている。

改称後の王国軍は今週も黒潮領内で攻撃を続け、現代都市フィルノアへの艦砲射撃を実施した。新たな国号と軍の名を掲げたカペレナ王国は、依然として大規模な戦争のさなかにある。

黒潮・黄砂両国が開戦
黄砂同盟、三国との戦争に

青海・緑丘に続き新たな敵国 緑丘では徴兵進み兵力6万6千人

黒潮自治国と黄砂同盟が、新たに戦争状態に入った。黄砂は既に青海共和国、緑丘公国と戦争を続けており、これで三国を相手に戦うこととなった。前号で迫っていた黒潮との開戦が、現実のものとなった。

黄砂と青海の戦争は三週目、緑丘との戦争は二週目を迎えている。新たに開戦した黒潮との間では、今週、両軍による直接交戦は伝えられていない。

黄砂同盟の兵力は3万8千人。一方、新たな交戦相手となった黒潮自治国は9万9,900人の兵力を擁し、黄砂を大きく上回る。ただし、黒潮もカペレナ王国との戦争を続けており、その全兵力を黄砂方面に向けられるわけではない。

さらに、黄砂と交戦中の緑丘公国では新たな徴兵が行われ、兵力が前号の5万6千人から6万6千人に増加した。その一方、人口は5万1,100人から4万2,100人に減少している。兵力の増強とは対照的に、国内の働き手は一段と限られることになった。

相次ぐ開戦によって黄砂同盟を取り巻く情勢は厳しさを増している。三国との戦争を抱えた黄砂がどの方面に兵力を振り向けるか、また黒潮がカペレナとの戦争とどう両立させるかが、新たな焦点となる。

黄砂同盟の相手
相手始期今期
青海共和国1203週目
緑丘公国1212週目
黒潮自治国122開戦

エスペランサ首都に迫るチェス軍 新たに都市を占領

チェス=シロバキア共和国軍が、エスペランサ皇国領の都市を新たに占領した。同地には1万300人が暮らしており、占領に伴い食料5万トンがチェス側の手に渡った。

占領された都市は、人口1万3,400人を擁する皇国の首都エスペランサからほど近い位置にある。首都そのものは引き続き皇国の統治下にあるものの、周辺の都市が相次いで失われれば、皇国の防衛態勢にも影響が及ぶおそれがある。

社会火災と人手5

天都近郊で大火 都市人口5,000人減少

チェス、なのですでも相次ぎ出火 五つの都市・町で被害

泰平天国の首都・天都に隣接する都市で大規模な火災が発生し、人口が5,000人減少した。首都そのものは火災を免れたものの、都のすぐそばで起きた災害に、周辺地域の住民生活も影響を受けそうだ。

被災地では住宅や生活の基盤を失った住民の暮らしが案じられる。火災による建物の被害状況や住民の移動については、詳しい情報が得られていない。人口の減少には避難や転出なども含まれ得るため、その全員が火災で命を落としたわけではない。

火災はチェス=シロバキア共和国でも相次いだ。同国の二つの町では、それぞれ3,700人、3,500人の人口減少が生じた。なのです主義人民共和国でも二つの町が被災し、人口はそれぞれ2,600人、2,700人減少している。

今週、各地で火災被害を受けた五つの都市・町の人口減少は合わせて1万7,500人に上った。戦争による被害が続く世界各地で、火災もまた人々の生活を脅かしている。

緑丘、人手不足1万2,900人に拡大

エスペランサでも人口急減 戦争続く両国で生産に不安

緑丘公国で働き手の不足が急速に拡大している。今週の不足人数は1万2,900人に達し、前号の約3,900人から9,000人増えた。黄砂同盟との戦争が続くなか、同国は新たな徴兵を進めており、国内の労働力確保が難しくなっている。

緑丘の兵力は今週、5万6,000人から6万6,000人へ増加した。一方、人口は5万1,100人から4万2,100人へと減少している。軍隊の規模が拡大するのとは対照的に、農場や工場を支える民間の人手は一段と乏しくなった。

チェス=シロバキア共和国との戦争を続けるエスペランサ皇国でも、人口と労働力の減少が深刻だ。国内人口は前号の5万6,300人から3万7,600人へと減り、働き手の不足は1万8,700人から3万3,700人へ拡大した。

皇国は相次ぐ領土の喪失にも直面している。首都エスペランサにはなお1万3,400人が暮らしているが、周辺の都市が敵軍の占領下に入っており、物資の調達や地域間の往来にも支障が生じかねない。

兵士を前線に送り出す一方で、国内の農場や工場を誰が支えるのか。両国の人口と労働力の変化は、長引く戦争が銃後の生産活動にも負担を及ぼしていることを示している。

今期の火災(減った人口)
地点人数
泰平・都市(46,6)5,000
チェス・町(75,72)3,700
チェス・町(74,72)3,500
なのです・町(22,64)2,700
なのです・町(10,71)2,600
経済相場と国庫6

弾薬相場、87.72に続伸 各地で戦争拡大

工業品は小幅安 軍需品と工業品で値動き分かれる

世界市場で弾薬の値上がりが続いている。今週の相場は87.72となり、前号の84.79から2.93上昇した。一方、工業品は73.99から72.96へ小幅に下落し、主要商品の値動きに違いが出た。

黄砂同盟は青海共和国、緑丘公国に続いて黒潮自治国とも戦争状態に入り、カペレナ王国と黒潮自治国の戦闘も続いている。各地で戦争が拡大するなか、軍需物資である弾薬の相場は上昇を続けている。

もっとも、値上がりが直接どの国の買い付けによるものかは明らかではない。各国の軍事行動が活発化する一方、工業品の相場は下落しており、すべての商品が一様に値上がりしているわけではない。

資源市場では鋼鉄が12、石油が7.2、燃料が6.8となった。木材や鉱石などを含め、各商品の価格は別掲の相場表にまとめた。

今週の相場
品相場
弾薬87.72
工業品72.96
鋼鉄12
石油7.2
燃料6.8
石材5.6
鉱石4.8
木材3.2

なのです国庫、2,000億円を突破

前号比584億円増 失業率は44.69%に悪化

なのです主義人民共和国の国庫が2,045億円となり、前号の1,461億円から584億円増加した。一方、失業率は40.8%から44.69%に上昇し、財政の拡大とは対照的に雇用情勢が悪化している。

なのです軍は今週、旧シンジケート領で新たに二都市と採石場を占領し、支配地域を広げた。占領地の拡大が国家財政や労働市場にどのような影響を与えたかは、今後の経済運営を考えるうえでも重要になる。

国庫の増加によって政府が保有する資金は厚みを増したが、失業率は四割を超える高水準にある。軍事的な拡大が進む一方、国内では働き口の確保が引き続き大きな問題となっている。

戦時下でも食料売却 緑丘公国が600を出品

黄砂同盟も食料・鉱石を競売に 弾薬の出品は少量

各国で戦争が続くなか、国際競売には食料や鉱石などの資源が相次いで出品されている。

黄砂同盟との戦争を続ける緑丘公国は、食料600を価格626で売りに出した。黄砂同盟も別の競売で食料600を価格700で出品しているほか、鉱石121を価格539で売り出している。

青海共和国は石材104、白波王国は鉱石123、黒潮自治国は木材187を出品した。戦争当事国による資源売却が目立つ一方、各国がどのような目的で競売に参加しているかは明らかではない。

弾薬の出品はアルガリストの9、金野伯爵領の6と少量にとどまる。弾薬相場が上昇を続けるなか、競売に出される軍需物資の動きも注目される。

各国の採掘施設で相次ぎ落盤 油田・鉱脈に被害

シンジケート連邦、オリョルッル王国、あろあろ国の採掘施設で相次いで落盤が発生し、石油や鉱物資源の開発に被害が出た。

シンジケート連邦の海底油田では施設の開発規模が一段階低下し、蓄えられていた資源115を失った。オリョルッル王国の露天鉱脈でも開発規模が縮小し、蓄え90が失われた。あろあろ国の露天鉱脈も被災し、同5を失っている。

いずれも資源開発の拠点で起きた被害であり、施設の復旧には新たな投資や作業が必要となる可能性がある。

稿に挙げた競売
品売り手量価格
石材青海104535
鉱石白波123535
鉱石黄砂121539
木材黒潮187539
食料緑丘600626
食料黄砂600700
弾薬アルガリスト9538
弾薬金野6375
資源定点観測7
第122期の世界の資源地帯

チェス、石油開発を大幅拡充 整備済み施設8か所に

第116期から5か所増 世界にはなお22か所の未整備石油地帯

チェス=シロバキア共和国で石油開発が進んでいる。本紙が第116期から追跡している世界各国の資源地帯を改めて調べたところ、同国の整備済み石油施設は当時の3か所から8か所へと増加した。今回の調査で目立った変化の一つとなっている。

世界各地では、このほかにも資源開発の拡大が見られる。あろあろ国の露天鉱脈は4か所から6か所に、青海共和国の炭坑は1か所から2か所に増加。なのです主義人民共和国でも採石場と炭坑がそれぞれ1か所ずつ増え、いずれも3か所となった。

こうした開発の進展にもかかわらず、世界には今なお手つかずの資源地帯が数多く残る。所有者のいない未整備の石油地帯は、第116期の27か所から22か所に減ったものの、未整備の資源地帯の中では依然として最も多い。

石油は燃料の供給を支え、鋼鉄とともに産業活動や軍需生産に欠かせない。だが、資源が埋蔵されているだけでは国の財産として十分に活用できない。施設の整備に加え、採掘を担う労働力や生産された資源を運ぶ交易路も必要になる。

各地で戦争が続くなか、資源の確保は一段と重要になっている。自国内の開発を進める国がある一方、他国との交易や競売を通じて必要な物資を調達する国もある。未開発地帯の整備が進むかどうかは、今後の世界の資源供給にも影響を与えそうだ。

第116期朝刊との比較。変わった地帯だけ。カピアは今期のカペレナ。未整備と記したもの以外は整備済みのか所数
地帯116期122期
チェス・石油38
チェス・炭坑45
あろあろ・露天鉱脈46
青海・炭坑12
なのです・採石場23
なのです・炭坑23
シンジケート・採石場10
シンジケート・炭坑10
カペレナ・採石場34
アルガリスト・炭坑12
エスペランサ・炭坑10
胡椒・ウラン01
持ち主なし・未整備の石油2722
持ち主なし・未整備の石炭916
持ち主なし・未整備の露天42

シンジケートの採石場、なのです領に

旧首都周辺で占領拡大 資源拠点にも及ぶ戦火

なのです主義人民共和国軍が、旧シンジケート連邦領の採石場を新たに占領した。第119期のクーデターから続く戦争は、首都や市街地だけでなく、資源開発の拠点にも及んでいる。

今回占領されたのは、旧プライム周辺に位置する採石場。第116期の調査ではシンジケート連邦が採石場を保有していたが、最新の集計では同国の採石場がなくなり、なのですの採石場が2か所から3か所に増加している。

採石場は建設に必要な石材を供給する重要な施設だ。旧政府残党が領土の回復を目指して抵抗を続ける一方、なのです側は資源拠点の支配も広げている。

占領された施設が今後どの程度の石材を産出するかは、施設の稼働状況や労働力の確保にも左右される。

気象天候と海況8
第122期の世界の天気図

雨域なお広く、雪は倍増 南端に雪域

雨1,154区画、前号とほぼ変わらず 黄砂・緑丘両首都は雨

前号に急拡大した雨域は今週も広い範囲に残り、世界各地で雨模様が続いている。降雨域は1,154区画で、前号の1,174区画からわずかに減少した。一方、雪の降る地域は7区画から16区画へと倍以上に増えた。

世界全体では晴れが3,623区画と最も多く、曇りは3,300区画。雷雨の発生域は7区画で、前号と変わらなかった。広い範囲で晴天が見られる一方、雨域も引き続き各地に分布している。

黄砂同盟と緑丘公国では、ともに首都が雨に包まれた。両国の間では先週から戦争が続いており、前線の各地でも天候への注意が必要となる。

シンジケート旧政府残党が新たにプライムと名付けた町は曇り。カペレナ王国の首都カペナグラード、黒潮自治国のフィルノア、テキスタン共和国のテキシャでも雲が広がった。

一方、なのです主義人民共和国の首都電都と、同軍の占領下にある旧プライムは晴れ。黒潮自治国の首都や泰平天国の天都、エスペランサ皇国の首都でも晴天となった。

雨の広がりは前号から大きく変わらなかったものの、雪域の増加が今週の天候の新たな特徴となっている。雪の16区画は、地図の南端に集まっている。

各地の空模様

称する町

曇り

カペナグラード

曇り

フィルノア

曇り

テキシャ

曇り

黄砂

雨

緑丘

雨

電都

晴れ

旧プライム

晴れ

黒潮

晴れ

天都

晴れ

エスペランサ

晴れ

漁船5隻、満載で帰港へ
泰平・なのです両国で豊漁

世界の漁場は16か所を維持 寒流域は前号よりわずかに拡大

泰平天国となのです主義人民共和国の遠洋漁船計5隻が、漁獲物を満載して帰港の途に就いている。泰平天国の1隻に加え、なのですの4隻がそれぞれ積載上限の300に達した。各国の港には、まとまった漁獲物が運び込まれる見込みだ。

世界の漁場は前号と同じ16か所で、その広がりは計156区画。寒流沿いに2か所、暖流と寒流が交わる潮目には14か所の漁場が形成されている。漁場の大部分は潮目に集中しており、世界の漁業を支える主要な操業海域となっている。

各国が保有する漁船は計41隻。このうち24隻が遠洋漁船、17隻が沿岸漁船である。満載で帰港する船がある一方、黄砂同盟の遠洋漁船は漁獲物を積まないまま港へ向かっている。

海流の分布は、暖流域が前号の242区画から244区画に、寒流域は327区画から329区画へと、それぞれわずかに拡大した。寒流域は依然として暖流域より広く、各地の漁場はこうした海流の分布に沿って形成されている。

各国の漁船は今週も世界各地の海で操業を続けている。満載の船が相次いで港へ戻るなか、海上から各国の市場へと漁獲物が届けられる。

第122期の海流
入門農場と食料9

農場はどう建てる? 食料生産と働き手の基本

第15回 通常農場と新型農場の違い、土地の領有と食料不足

国の人口を支える食料は、農場で生産する。農場には建設費用や所要期間の異なる種類があり、建てられる土地の条件にも違いがある。今回は農場の整備方法から、生産に必要な働き手、食料が不足した場合の影響までを解説する。

通常農場は20億円、建設に1期

通常の農場は、平地に整備できる。建設する地点、またはその隣に、自国の陸地か港がなければならない。海上に艦船を配置しただけでは、建設条件を満たせない。規模は1万人から6万人までで、大きくすれば食料は増えるが、それに応じた働き手が要る。

新型農場は180億円、即時建設

建設の早い新型農場は、自国の土地だけで建てられ、他国の平地には建てられない。費用と期間の違いは、下の比較表にまとめた。

農場の比較

建設費用・期間・条件
通常の農場建設の早い新型農場
費用の目安20億円180億円
期間1期使わない
土地平地。その地点か隣に、自国の陸か港自国の土地だけ
他国の平地建てると、その土地は自国になる建てられない

注 通常の農場は、建てる地点かその隣が、自国の陸か港でなければならない。隣の海に艦船がいるだけでは、その隣には数えない。新型農場も、艦船だけでは建てられない。

今期の建設実例

今期、建設の早い新型農場を整えたのは二か国である。チェス=シロバキア共和国は自国の(74,68)で二度、テキスタン共和国は(34,11)で一度、この農場を建てた。

農業には働き手が優先配分される

農場を建設するだけで、必ず最大の食料を生産できるわけではない。規模に見合った労働力が必要だ。働き手は工業より農業へ優先的に配分される。農場の整備を進める際は、必要な人員が足りているかを確認しておこう。

農場を建てると領土が変わる

通常農場の建設には、土地を領有する効果もある。他国の平地で建設条件を満たして農場を整備すると、その土地は建設した国の領土になる。すでに他国の農場がある地点でも、追加の整備をすると、農場ごと土地を奪えることがある。ただし、陸上部隊を配置しただけでは土地の所有者は変わらない。農場建設や整地など、領有権の変更を伴う工事が必要になる。土地の支配を広げることと、軍の部隊を配置することは、別の仕組みである。

食料不足は人口減少につながる

食料が不足すると、町の人口が減少することがある。これは戦闘による損害とは異なる人口減少だ。農場の生産量だけでなく、国全体の食料備蓄にも注意したい。

村は自然に生まれることもある

人口の多い町や農場に隣接する平地には、まれに村ができる。新しくできた村は、その国の領土となる。隣接しているだけですべての平地に村ができるわけではない。友好の国の平地、部隊のいる平地、持ち主のない平地には広がらない。

次回 資源の山を動かす

国特集狐っ娘の尻尾教団10

狐の尾を崇める森の都
狐っ娘の尻尾教団を訪ねて

千灯祭に沸く門前町 写し身の社と、よそ者を警戒する人々

森の石段と鳥居、狐面と灯籠、塩焼きの店
写し身の社へ続く門前の尾の路。石段の脇に灯籠と狐面、塩焼きの店が並ぶ。

深い森を抜けると、石段の続く門前町が姿を現す。狐っ娘の尻尾教団の首都である。社へと通じる道は尾の路と呼ばれ、朝早くから川魚を焼く煙が軒先に漂っている。麦の甘酒を売る店、白い狐面を並べた露店。町の暮らしには、狐の尾を神聖なものとする教団の信仰が深く根を下ろしている。

狐面の門前町

尾の路では、朝のうちは川魚の塩焼きがよく売れる。炭火の上で魚を返す店主の隣では、甘酒を温める鍋から湯気が上がる。昼を過ぎると、今度は豆腐に味噌を塗って焼く尾の田楽の店がにぎわい始める。

しかし、この町は誰にでも気軽に門戸を開く土地ではない。よそから来た者には警戒の目が向けられる。道を尋ねても、まず身につけた面を確かめられ、それからようやく言葉が返ってくる。信仰を共にする者とそうでない者の間には、目に見えない境がある。

それでも商いは続く。魚屋は値を告げ、甘酒売りは器を差し出す。客を値踏みするような視線と、商人らしい丁寧な応対が、同じ通りに入り交じっている。

千の灯籠、秘められた鏡

門前の石段を登った先に、教団の信仰を集める写し身の社がある。社の奥には写し身の鏡と呼ばれる聖なる鏡が安置されているが、その姿を一般の参詣者が見ることはできない。

教団には、世界は狐の尾から生まれたという伝承がある。信徒の間では、狐の尾は単なる動物の一部ではなく、世界の始まりに通じる神聖な象徴とされている。

年に一度の千灯祭が近づくと、参道には白紙の灯籠がずらりと並ぶ。火が入れば、文字も模様もない灯籠が森の闇に浮かび上がる。

祭りに合わせて開かれる巡礼市には、狐面、繕い糸、干し魚を商う店が集まる。奉納行事では速さや力を競うのではなく、定められた順番を守って贈り物を渡す作法が重んじられる。勝敗よりも儀礼の正しさに価値を置くところに、この土地の信仰が表れている。

麻雀を囲む町の人々

町にはもう一つ、盛んな娯楽がある。麻雀だ。

普段の卓を囲むのは、もっぱら地元の顔なじみである。牌を混ぜる音が響く店先では、負けた者が次の甘酒を用意するという習わしもある。

外から来た者が卓に加われる機会は少ない。例外となるのが、町で開かれる大会の期間だ。このときばかりは外来の客にも席が用意され、普段は閉ざされがちな町の輪に加わることができる。

祭礼に厳しい作法を求める一方、卓を囲めば勝負に熱中する。教団の首都は、信仰だけでは語り尽くせない顔を持っている。

人口を上回る軍隊

穏やかな門前町の風景とは対照的に、この国は大規模な軍隊を擁する。

人口8万5,400人に対し、兵力は10万400人。国内の働き手は8万8,600人不足している。教団は現在、いずれの国とも戦争をしていないが、軍の規模は人口を上回っている。住民のすべてが兵士だというわけではない。

尾の路には巡礼者や商人に交じって兵士の姿も見られる。町の営みを支える人手が足りない一方で、大きな軍隊を維持するという、教団の特異な姿がそこにある。

この国の政府が掲げる言葉は「狐っ尻尾もふもふ」。一見すると愛嬌のあるその響きの裏側に、厳格な信仰と閉鎖的な共同体、そして強大な軍事力が同居している。

森の都に夕暮れが訪れるころ、尾の路には再び灯籠の明かりがともる。よそ者には容易に開かれない町も、狐の尾を崇める人々にとっては、祈りと暮らしが重なる故郷なのである。

次回の国 泰平天国

狐っ娘の尻尾教団・国勢
首都固有の名はない(36,49)
天候晴れ
人口8万5,400人
兵力10万400人
働き手の不足8万8,600人
食料138万1,000トン
戦争していない

人口から食料までは、首都ではなく国全体の数である。

参詣の心得

写し身の鏡は、一般の参詣者には開かない。社では案内に従う。

千灯祭の灯籠に文字はない。参道の白い灯を見る。

麻雀の卓は顔なじみのもの。外来の客が座るなら、大会の期間である。

門前では、川魚の塩焼きと尾の田楽が出る。

文化丘と文芸11

オリョルッル王国に超繁栄賞
七つの丘の国に祝賀の輪

川辺に長い食卓、実りを分かち合う人々

丘と川、麦束を担ぐ人々、川辺の長い食卓
丘の間を流れる川と、川辺の長い食卓。麦束を担いだ人々が卓へ向かう。

七つの丘に囲まれたオリョルッル王国に、今期の超繁栄賞が贈られた。人口54万5,000人を擁し、現在はいずれの国とも戦争をしていない王国では、受賞を祝う人々が川辺に集まり、長い食卓を囲んだ。

王国には、国の始まりを七つの丘に求める古い伝承がある。丘にはそれぞれ異なる呼び名があり、土地の人々は生まれ育った丘の名を添えて故郷を語るという。丘と丘の間には川が流れ、川沿いの道には麦を積んだ荷車や、荷を運ぶ小舟が行き交う。

受賞を迎えたこの日、川辺には幾つもの長卓が並べられた。麦束を担いで集まった農夫たちは、荷を下ろすと、厚く切ったパンと冷たい茶を分け合った。卓の端では子どもたちが麦の穂を編み、年寄りたちは今年の畑の出来を語り合っていた。

「七つの丘のどこで穫れた麦でも、ここでは同じパンになるんだよ」

食卓の支度をしていた老人はそう話し、隣の者へパンを渡した。

王国の人々にとって、川辺は単なる交易や農作業の場所ではない。丘ごとに暮らす住民が行き交い、祭りや祝い事のたびに顔を合わせる場所でもある。今回の祝宴にも、各地から人々が集まった。

丘の上から眺めると、川に沿って並ぶ食卓は一本の長い帯のように見える。夕暮れが近づくころ、川面には灯が映り、最後まで残った人々が杯を傾けた。

超繁栄賞の知らせは、戦争の報道が続く世界に届いた、久しぶりの明るい話題となった。七つの丘に囲まれた王国では、この日も川の流れとともに、人々の穏やかな暮らしが続いている。

書評『丘の数え方』

七つ目の丘を越えた先に、何があるのか

オリョルッル王国の書店に、一冊の薄い本が並んでいる。作者の名を記さない小品『丘の数え方』である。

物語には、国を形作る丘を七つと数える老人と、「八つ目の丘は川そのものだ」と言い張る旅人が登場する。

老人にとって丘は、そこに住む人々の故郷であり、王国の始まりを伝える大切な土地である。一方、旅人は、丘と丘を結び、人と物を運ぶ川もまた、この国を形作るものだと言う。

二人は互いに譲らず、話は丘の数から川の流れへ、そして昔の収穫や町の祭りへと移っていく。最後まで答えは出ない。物語は、老人の「もう一杯」という一言で幕を閉じる。

実に気の抜けた結末だが、読み終えると、この国らしい温かみが残る。

七つの丘という伝承を否定することなく、その間を流れる川にも目を向ける。数を決めることよりも、同じ卓で語り合うことの方が大切なのだと、作者は静かに語りかけているようだ。

大仰な教訓も劇的な事件もない。しかし、短い会話の中に土地の歴史と人々の気質を描いた、味わい深い一冊である。

束を置く

丘を七つ数え終え
肩の麦束を卓に置く。

川向こうから舟が来る。
誰かが席をひとつ空ける。

冷たい茶を注ぐ音、
焼いたパンを割る音。

王様の名も賞の名も
今夜の卓には並ばない。

ただ、七つの丘の下、
八つ目の川が流れている。

編集後記

首都を失った者が、別の町に同じ名を付けた。砲撃を受けた港では、住民の暮らしにも被害が及んでいる。戦争の報道が続く今号のなかで、オリョルッル王国の超繁栄賞は久しぶりに穏やかな話題となった。

川辺に長い食卓を並べ、麦とパンを分け合う人々。そこには、戦場からは見えない一国の日常がある。

戦火の及ばぬ土地にも、そこで営まれる暮らしがある。それを書き残すことも、新聞の仕事なのだろう。