夕刊
第121期
トレーディア新聞社
定価 無料
トレーディア新聞THE TREDIA SHIMBUN
トレーディア暦2年7月第2週
夏季
本日10面
主な記事 プライム陥落 古代壁画は「なのです」 緑丘公国と開戦 ネルヴェナに艦砲 雨、1,174マス 国特集 テキスタン共和国
総合プライム陥落1

プライム陥落! 歓呼の市民、なのです軍を迎う

街頭に翻る「なのです」の旗 解放の歓声、全市を揺るがす

夏の街路で、市民が進駐する兵士に水を差し出す
占領の午後。市民が兵士に水を差し出し、老人が手を握る(トレーディア新聞)

シンジケート領の要衝プライムは、ついになのです主義人民共和国軍の手に帰した。進撃を続けていたなのです軍精鋭部隊は、敵守備軍の抵抗を排して市街中心部に突入、主要官衙を相次いで制圧し、ここに同市の完全占領を成し遂げた。

戦火の収まった街頭には、早くも市民の歓声が湧き起こった。沿道を埋めた老若男女は、進駐するなのです軍将兵に向かって手を振り、ある者は帽子を打ち振り、ある者は声を限りに万歳を叫ぶ。昨日まで敵軍の支配下にあった街は、今や歓喜の坩堝と化したのである。

なかでも目を引いたのは、幼い子供を抱いて兵士のもとへ駆け寄る婦人たちの姿であった。長き戦乱に疲れた市民にとって、規律正しく行進するなのです軍の姿は、新たな平穏の訪れを告げるものと映ったのであろう。白髪の老人は兵士の手を固く握り、幾度も頭を下げながら「これでやっと安心して眠れる」と涙ながらに語った。

市内各所では、家々の窓から歓迎の旗が掲げられ、進駐部隊の通過する大通りには人垣が幾重にも連なった。住民の差し出す飲料水を笑顔で受け取る将兵、子供らに手を振り返す若い兵士。そこには、つい先刻まで砲声の絶えなかった戦場とは思えぬ光景が展開された。

なのです軍当局は、占領後ただちに市内の治安維持と民生安定に着手。住民に対しては従来どおりの生活を営むよう呼びかけるとともに、商店の営業再開、食糧供給の確保に努める方針を示した。

かくしてシンジケートの重要拠点プライムは陥落した。市街を覆う歓呼の声は、なのです軍の赫々たる戦果を祝するとともに、新たな時代の到来を告げるかのようであった。

今号の紙面
  1. 1面プライム陥落、なのです軍が占領
  2. 2面首都陥落後も続く東部の攻防
  3. 3面ネルヴェナに艦砲射撃
  4. 4面黄砂同盟と緑丘公国が開戦
  5. 5面砲撃を受けた市民の暮らし
  6. 6面弾薬相場と国際市況
  7. 7面各地の天候と海況
  8. 8面艦の速さと経験
  9. 9面テキスタン共和国を歩く
  10. 10面文芸と街の話題

「プライムは古来より我が固有の領土」

オリョールの森の古代壁画に決定的証拠 なのです軍当局が声明

両手を挙げ、口を開けた二人の人物が描かれた古代壁画
オリョールの森の古代壁画。軍当局は、口元が「なのです」と発音する形だとした

なのです主義人民共和国軍総司令部は、プライム占領に際し、同市および周辺地域の歴史的帰属に関する声明を発表した。

声明は「オリョールの森で発見された古代壁画を見れば、プライム一帯がなのです固有の地であったことは明白である」と強調した。

その根拠として挙げられた古代壁画について軍当局は以下のように語った。

「同壁画には、古プライムの住民とみられる人物が描かれており、その口元は明らかに『なのです』と発音する際の形状を示している。専門家による詳細な分析の結果、これが他の語句を発している可能性は完全に排除された。すなわち、古代プライムの住民がなのです語を用いていたことは疑いようがなく、同地が太古より我が民族固有の領土であったことはその都市名のみならず歴史的、考古学的にも証明されたのである」

さらに声明は、「壁画は数千年の時を経て、今なお祖国の帰属を雄弁に物語っている。かかる明白な歴史的事実を前にして、シンジケート側の領有権主張は何ら根拠を有しない」と断じた。

また、現在のプライム住民の多くがなのです語を使用していない点については、「これは旧シンジケート政府が長年にわたり我が同胞に強いてきた不当な支配と、組織的な民族文化抹殺政策の結果にほかならない。祖先の言葉を奪い、歴史を歪曲し、なのです民族としての誇りさえ忘却させたその蛮行は、断じて許されるものではない」と激しく糾弾。

軍当局は最後に「歴史の真実はいかなる武力によっても覆すことはできない。我が軍は今後とも祖国の神聖なる領土を守り、プライムの同胞の安寧と幸福のため全力を尽くす」と結んだ。

戦況首都陥落後の攻防2
なのですとシンジケートの戦場の地形と部隊

プライム陥落、なお続く激戦 シンジケート軍は東部で抗戦

なのです軍、首都占領後も攻勢 両軍の累計損害六万六千人に

なのです主義人民共和国軍は、シンジケート連邦の首都プライムを占領した。連邦の中枢都市を失ったシンジケート側にとって大きな打撃となったが、周辺ではなお激しい戦闘が続き、東部戦線でも両軍が多数の損害を出している。

プライム周辺では、シンジケート第1軍歩兵部隊が、同市に進出したなのです第28軍海兵部隊と交戦した。両軍の応酬は激しく、シンジケート側は約2,800人、なのです側も約900人の損害を出した。

南東部では、シンジケート第2軍山岳兵部隊が、なのです第13軍装甲部隊と交戦。さらに第14軍砲兵部隊の砲撃を受けて壊滅した。首都をめぐる戦闘では、なのです軍が市街を制圧した一方、周辺に残るシンジケート軍との衝突が続いている。

東部戦線、装甲部隊投入で攻防激化

東部戦線では、シンジケート第3軍山岳兵部隊が、なのです第2軍山岳兵部隊と激突した。シンジケート側は敵部隊に約2,000人の損害を与えたが、なのです軍も反撃に転じ、第9軍装甲部隊を投入。同部隊の攻撃だけでシンジケート側に約3,200人の損害を与えた。

両軍はこの方面で兵力の再配置を進めている。なのです軍は南東部の複数拠点から部隊を後退させる一方、プライム北方と東部戦線に新たな部隊を展開した。シンジケート側も東部戦線に部隊を送り込み、後方では新兵の徴集を進めるなど、戦力の立て直しを急いでいる。

今期の戦闘で、なのです軍はシンジケート側に約7,000人の損害を与え、シンジケート軍もなのです側に約3,600人の損害を与えた。開戦以来の累計戦果は、なのです軍が約4万5,200人、シンジケート軍が約2万800人に上り、両軍合わせて6万6,000人の兵力が失われた。

首都失うも一部地域では支配回復

一方、プライム東方では、シンジケート側が一部地域の支配を回復した。前期、なのです軍の占領下に入った土地では、シンジケート側による開拓が進められ、新たな集落が形成された。

同連邦はプライム周辺で農業施設の整備も急いでおり、戦闘が長期化するなか、食糧生産基盤の維持と後方の立て直しを図っている。

首都陥落という重大な打撃を受けながらも、シンジケート軍はなお抗戦を続けている。なのです軍が占領地を足場にさらに進撃するのか、それともシンジケート側が戦線を立て直すのか。プライムをめぐる戦いは、首都の陥落をもってなお終わってはいない。

広告 一船の客船

潮の便り

白波の港から、次の港へ。

白波王国の客船。客室の窓が並ぶ小蒸気。荷物は甲板の木箱まで。

白波港 出帆は朝

広告 湖畔の宿と白い鳩

白鳩亭

湖のほとりで、一夜。

エスペランサ皇国の首都にある小さな宿。夕餉と、朝の白湯。鳩は屋根にいる。

首都の湖畔 空きは店頭で

戦況ネルヴェナ砲撃3
カピアと黒潮の戦場の地形と部隊

カピア艦隊、現代都市を砲撃 住民1,900人減少

ネルヴェナに砲弾二発 市街に被害、周辺では激しい地上戦

カピア公国の戦艦と巡洋艦が、フィルノア沖から黒潮自治国領の現代都市ネルヴェナに艦砲射撃を加えた。砲弾二発が市街地に着弾し、人口は1万100人から8,200人へと減少した。人口約1万人を擁する都市への砲撃は、住民の暮らしにも深刻な打撃を与えている。

砲撃は雨の降る海域から行われた。両艦は悪天候のなかで攻撃を続け、ネルヴェナのほか、付近の防衛施設にも砲弾が命中した。攻撃に参加した艦艇の沈没は伝えられていない。

国境地帯でも激戦 カピア装甲部隊に大きな損害

一方、カピアと黒潮の地上戦線でも激しい戦闘が続いた。

カピア第10軍歩兵部隊は、黒潮第1方面軍歩兵部隊と交戦。黒潮側に約800人の損害を与えたものの、自軍も約100人を失った。黒潮軍も反撃し、カピア側に約100人の損害を与え、自軍は約400人を失った。

別の戦線では、カピア軍の装甲部隊と歩兵部隊が黒潮第32軍空兵部隊を攻撃した。装甲部隊の攻撃では黒潮側に約1,700人、カピア側に約1,600人の損害が生じ、歩兵部隊による攻撃でも黒潮側に約2,800人、カピア側に約300人の損害が出た。

さらに、黒潮軍の空兵部隊もカピア軍歩兵部隊に反撃し、約700人の損害を与えた。カピア側も山岳兵部隊を投入して応戦するなど、各地で戦闘が繰り返された。

カピア軍は一部の部隊を後退させ、戦力の再配置を進めている。

両軍の累計損害16万人超

今期の戦闘で、カピア軍は黒潮側に約6,900人の損害を与え、黒潮軍もカピア側に約4,200人の損害を与えた。開戦以来の累計戦果は、カピア軍が8万8,400人、黒潮軍が7万6,300人で、合わせると16万4,700人になる。

黒潮自治国の総人口も前号の約4万800人から約3万8,900人に減少している。ただし、この人口減少のすべてが今回の戦闘によるものとは限らない。

戦艦と巡洋艦による都市砲撃が加わったことで、戦火は前線の兵士だけでなく、後方の市民生活にも及んでいる。地上では両軍が激しい消耗戦を続けており、戦闘終結の兆しは見えていない。

カピアと黒潮の戦果の推移
カピア公国の戦果6,900、黒潮自治国の戦果4,200。累計は88,400対76,300。いずれも相手に与えた損害
国際黄砂・緑丘開戦4

黄砂同盟、緑丘公国と開戦 新たな戦火広がる

緑丘軍、国境方面に部隊展開 首都のそばに部隊と艦

黄砂同盟と緑丘公国の間で新たな戦争が始まった。緑丘軍は開戦に伴い、国境方面に部隊を展開するとともに、前線の整地や艦艇の配備を進めている。各地で戦闘が続くなか、また一つ新たな戦線が生まれた。

緑丘軍は自国の首都のそばへ地上部隊を進出させ、周辺の土地を整備して作戦拠点の確保を図っている。また、海上にも艦艇を送り込み、陸海両面から軍事行動を進める構えを見せた。

黄砂同盟は人口約15万3千人、兵力約3万8千人を擁する一方、緑丘公国は人口約5万1千人に対し、兵力約5万6千人を保有している。人口では黄砂が上回るものの、兵力では緑丘が優勢で、両国の軍事力には大きな違いがある。

部隊は緑丘公国の首都のそばにあり、黄砂同盟の首都までは届いていない。開戦後、両国軍による直接の交戦はまだ起きておらず、緑丘軍は前線方面で兵力の展開を進めている。今後、本格的な交戦が始まれば、周辺地域にも戦火が広がる可能性がある。

開戦時の兵力
人口兵力
黄砂同盟約15万3千人約3万8千人
緑丘公国約5万1千人約5万6千人
黄砂同盟の相手
相手始期今期
青海共和国1202週目。人口37.45万、資金16,711億円
緑丘公国121開戦。首都のそばに部隊
黒潮自治国122あと1期

黄砂同盟、三国との戦争へ 黒潮とも来週開戦

青海との交戦続くなか緑丘が参戦 兵力分散と補給に重圧

黄砂同盟が、三つの国家との戦争に直面している。青海共和国との交戦が続くなか、今週は緑丘公国との戦争が始まり、来週には黒潮自治国との開戦も控える。相次ぐ敵国の増加に、黄砂軍は戦力の配分を迫られている。

黄砂同盟の兵力は約3万8千人。これに対し、新たに戦争状態となった緑丘公国は約5万6千人の兵力を擁する。黄砂は人口では緑丘を大きく上回るものの、軍の規模では劣勢に立つ。

青海との戦線を維持しながら緑丘の動きにも備え、さらに黒潮との開戦を迎えれば、各方面への兵力の振り分けは一段と難しくなる。とりわけ、主力を一つの戦線へ集中させた場合、ほかの方面で生じる防備の空白が懸念される。

国内事情も厳しい。黄砂同盟では約1万700人、緑丘公国でも約3,900人の働き手が不足している。新たな兵員の確保や軍需物資の増産には、農業や工業を支える労働力との兼ね合いが避けられない。

三国との戦争を抱える黄砂同盟が、限られた兵力をどの方面に振り向けるのか。来週の黒潮との開戦を前に、同盟軍の防衛態勢が試される。

エスペランサ領の町陥落 食料5万トンを失う

チェス=シロバキア軍が占領 首都はなお皇国の統治下

チェス=シロバキア共和国軍が、交戦中のエスペランサ皇国領の町を占領し、同地に蓄えられていた食料5万トンを奪った。町を失った皇国は、貴重な食料備蓄にも大きな損害を受けた。

皇国の首都エスペランサは、引き続き同国の統治下にある。しかし、今回の占領によって周辺地域の支配がさらに崩れれば、食料の調達や輸送にも支障が生じるおそれがある。

町の陥落に加え、大量の備蓄食料を失ったことは、戦争を続ける皇国にとって重い打撃となった。

社会戦禍と市民生活5

艦砲射撃受けたネルヴェナ 市民の暮らしに暗い影

人口1,900人減、港には避難する人々 黒潮自治国で戦争被害広がる

艦砲の煙が立つ海岸の町から、荷物を持って離れる人びと
ネルヴェナ。艦砲のあと、荷物を持って岸を離れる人(トレーディア新聞)

カピア公国艦隊による砲撃を受けた黒潮自治国の都市ネルヴェナで、人口が1万100人から8,200人へと減少した。減少幅は1,900人に上り、砲撃による市街地の被害が住民の暮らしに重い影を落としている。

ネルヴェナにはカピア艦隊の砲弾二発が着弾した。港に近い市街では砲撃の爪痕が残り、家財を抱えて海岸沿いを離れる人々の姿も見られる。戦火を逃れた住民にとっても、住み慣れた街でこれまで通りの生活を続けることは容易ではない。

黒潮自治国では、長引く戦闘によって軍の損耗も拡大している。兵力は前号の約11万3,400人から約10万3,600人に減少した。国内では働き手が約3万6,900人不足しており、戦争の継続が生産活動や住民生活に及ぼす影響も懸念される。

食料の総保有量は約103万トンに上るものの、民間向けの食料在庫は底をついている。国全体に食料が存在していても、それが住民の食卓に行き渡るとは限らない。戦闘の長期化とともに、食料供給の立て直しも大きな課題となっている。

ネルヴェナの人口減少がすべて死者によるものか、避難や転出を含むものかは明らかになっていない。しかし、砲撃を受けた市街から人々が離れ、かつての日常が失われつつあることは、戦争が前線の外にも深い傷痕を残していることを物語っている。

今期の火災
場所減った人
青海の都市(49,54)6,200
あろあろの都市(70,26)6,000
チェスの都市(66,70)6,000
オリョルッルの町(9,39)3,300
なのですの町(16,62)2,700
経済軍需と国際市況6

弾薬相場が急伸、軍需品に買いの動き

前号比6%高 工業品は小幅安、戦時下の市況に明暗

各地で戦争が相次ぐなか、国際市場では弾薬の値上がりが目立っている。最新の弾薬相場は84.79と前号の79.67から約6%上昇した。一方、工業品は74.86から73.99へ小幅に値を下げ、軍需に直結する弾薬と一般工業品とで値動きが分かれた。

黄砂同盟と緑丘公国の開戦に加え、なのです主義人民共和国とシンジケート連邦の戦争、カピア公国と黒潮自治国の交戦など、各地で軍事行動が続いている。弾薬相場の上昇には、こうした戦局を背景とした軍需への期待が働いている可能性がある。

その他の主要商品の相場は、燃料6.8、石油7.2、鉱石4.8、鋼鉄12、石材5.6、木材3.2となった。兵器生産や陣地構築に欠かせない資源の価格動向も、今後の戦況と密接に関わってくる。

黄砂同盟、交易規模で世界3位に浮上

国家間の交易では、泰平天国が1,699、あろあろ国が1,475で引き続き上位を占めた。これに続く黄砂同盟は1,283を記録し、前号3位の青海共和国に代わって世界3位に浮上した。

黄砂同盟は青海共和国との戦争に加え、緑丘公国とも新たに開戦したばかりである。二つの戦争を抱えながらも交易で上位に食い込んだことは、同盟の経済活動の活発さをうかがわせる。

工業品・鉱石・食料の取引続く

国際競売では、青海共和国と緑丘公国がそれぞれ工業品を出品したほか、黄砂同盟からは石油、白波王国からは石材や鉱石が売りに出された。

木材や食料の取引も続いている。黒潮自治国と青海共和国は木材を、緑丘公国と黄砂同盟は食料を出品しており、戦時下にあっても資源や生活物資をめぐる交易は途絶えていない。

なかでも注目されるのは、交戦中の黄砂同盟と緑丘公国がともに国際市場へ出品を続けていることである。戦場では両国の軍隊が向き合う一方、交易市場ではそれぞれが経済活動を維持している。

戦争の拡大とともに弾薬価格が上昇する一方、工業品相場は軟調に推移している。軍需の動向が他の商品市場にも波及するか、今後の値動きが注目される。

なのですの国庫、311億円増

政府筋によれば、なのです主義人民共和国の国庫は前号から311億円増え、1,461億円となった。カピア公国の資金は5,061億円で、前号の4,963億円を上回った。

油田の拡張と、相次ぐ落盤

黄砂同盟では海底油田の拡張工事が行われ、400億円と石材10、木材10を投じて採掘設備が増強された。一方、オラニウム連邦の炭坑と鉱山、アルガリスト帝国の炭坑、チェス=シロバキア共和国の炭坑で落盤があった。同国の海底油田は設備の段階が7から6に下がり、蓄え58を失った。チェス=シロバキア共和国は、新たな海底油田も造った。

なのですの石油・燃料、競売不成立

なのです主義人民共和国が国際競売に出品していた石油と燃料は、買い手が付かず不成立となった。売れ残った分は、同国の保有に戻された。

航海は青海が最多

今期の航海数は、青海共和国が390、黒潮自治国が204、白波王国が33。前号はそれぞれ383、199、31だった。

なのです、失業率40.8%に低下

政府筋によれば、なのです主義人民共和国の失業率は40.8%となり、前号の約42%から小幅に低下した。人口は59万2千人。

競売の主な出品。金額は入札額
品量入札出品終期
工業品8513青海122
工業品8513緑丘122
石油82537黄砂122
石材105535白波122
石材104535青海123
鉱石123535白波123
鉱石121539黄砂123
木材187539黒潮123
食料600626緑丘123
弾薬9538アルガリスト123
木材187538青海124
食料600596黄砂124
気象各地の天候と海況7
第121期の世界の天気図

雨域、前号の4倍超に 黄砂と緑丘の首都は雨

雨は1,174マス 雪と雷は前号より少ない

世界各地で雨が勢いを増している。今期の雨は1,174マスで、前号の258マスから約4.5倍になった。晴れは3,591マスで最も多く、曇りは3,321マスである。広がったのは、晴れを押しのけた雨である。

黄砂同盟の首都と緑丘公国の首都は雨に包まれた。両国は新たに戦争状態に入ったばかりで、前線の雨が部隊の移動や補給に影響することも考えられる。雨の地点から撃つと、与える損害は9割になる。

なのです主義人民共和国の首都電都、プライム、黒潮自治国の首都、泰平天国の首都天都は晴れだった。テキスタン共和国の首都テキシャは曇りである。雪は7マス、雷は7マスで、前号の26マス、14マスを下回った。

各地の空模様

黄砂

雨

緑丘

雨

ネルヴェナ

雨

テキシャ

曇り

電都

晴れ

プライム

晴れ

黒潮

晴れ

天都

晴れ

各地で遠洋漁業続く 漁場16か所、漁船41隻

寒流域は暖流域より広い 満載で帰る泰平の船もある

各地の海では16か所に漁場ができ、合わせて156マスに広がっている。うち寒流沿いは30、潮目は126で、休んでいる漁場はない。並びは前号と変わらない。遠洋漁船41隻が操業し、泰平天国の船のなかには、漁獲物を満載して帰路についたものもある。

海流は、暖流242マスに対し寒流327マスで、寒流のほうが広い。カピア公国の戦艦と巡洋艦がネルヴェナを撃った海域も雨だった。砲撃の様子は3面にある。

第121期の海流と漁場
入門艦の速さと経験8

艦の経験値はどう増える? 大型艦建造への道

敵艦撃沈で経験を獲得 国全体の海軍経験との違いに注意

戦闘艦や潜水艦を建造しようとしたとき、「海軍経験が足りない」と表示されたことはないだろうか。

海軍には、「艦ごとの経験値」と「国の海軍経験」という二つの仕組みがある。名前は似ているが、その役割は異なる。今回は、経験値の増やし方と大型艦建造の条件を解説する。

1.艦の経験値は敵艦を沈めると増える

艦艇には、それぞれ個別の経験値が設定されている。

経験値を獲得できるのは、敵艦を撃沈したとき、または怪獣を倒したときだ。敵艦を攻撃しただけでは増えず、最後に撃沈する必要がある。

撃沈した艦種によって、獲得する経験値は異なる。

撃沈で得る経験
撃沈した艦種獲得経験値
駆逐艦5
巡洋艦10
戦艦15
空母20
潜水艦5

艦ごとの経験値の上限は250。すでに251以上ある艦は、経験値を減らさない。

2.国の海軍経験は、大型艦建造の条件になる

艦艇が戦闘で獲得した経験値は、国全体の「海軍経験」にも同じだけ加算される。

この数値は、どの艦種を建造できるかを決める条件だ。

国の海軍経験で造れる艦
国の累計海軍経験建造できる艦種
初期状態駆逐艦
10以上巡洋艦
40以上戦艦
160以上空母
640以上潜水艦

例えば、戦艦を建造するには、国の累計海軍経験を40以上にする必要がある。

重要なのは、艦を失っても国の累計海軍経験は減らないという点だ。ただし、現在の累計値が必要な条件に達していなければ、その艦種は建造できない。

3.艦の移動速度は艦種によって違う

艦艇の進む速さも、艦種によって異なる。行き先は、あらかじめ定めた目的地である。

駆逐艦が1期に何マス進むかは、事前には決まらない。1マスずつ進み、2マスで必ず止まるわけではない。道が空いていれば平均は約1.7回。巡洋艦は最大2マス、平均は約1.5回。戦艦、空母、潜水艦は1マス。動き方の詳しい説明は前号にある。

4.今期の事例:海軍経験が足りず造船中止

今期、オリョルッル王国では、予定していた艦艇の建造が中止された。原因は、建造に必要な国の海軍経験が不足していたためだ。どの艦種かは公報に無い。

大型艦を建造する前には、資金や資源だけでなく、国の累計海軍経験が建造条件を満たしているか確認しておこう。泰平天国は(48,34)で造船を実行した。耐えられる傷の上限は15で、表は前号にある。

今回のまとめ

艦艇を使いこなすうえで、まず覚えておきたいのは次の三点だ。

艦の経験値は、敵艦の撃沈や怪獣の撃破で獲得する。国の海軍経験は累積し、大型艦を建造するための条件になる。艦種によって、1期に進むマス数は異なる。

経験値は戦闘だけでなく、今後どの艦種を建造できるかにも関わる。海軍を整備するときは、国の累計海軍経験を確かめてから造船計画を立てたい。次回は、農場と食料。

1期に進む目安
道が空いているときの目安。行き先は定めた目的地
艦種1期の移動
駆逐艦事前には決まらない。平均約1.7マス
巡洋艦最大2マス。平均約1.5マス
戦艦1マス
空母1マス
潜水艦1マス
建造前の確認

国の海軍経験が、造る艦の必要値に達しているか。

資金と資源が足りるか。

今の経験で造れる艦種を選んでいるか。

艦が沈んでも、国の累計海軍経験は減らない。詳しい動きは前号。

国特集テキスタン紀行9

山あいの都テキシャ、織機は止まらず

織場通りと喫茶「朝の紙面」 人口26万2千人

曇りの織物市で、布を広げる人と喫茶の客
テキシャの織場通り。曇りの日に、布と珈琲が並ぶ(トレーディア新聞)

山並みに囲まれたテキスタン共和国の首都テキシャは、古くから織物の街として知られる。石畳の通りには布を商う店が軒を連ね、朝ともなれば荷車が行き交い、店先には色とりどりの反物が並ぶ。街角の喫茶店から漂う珈琲の香りと、工房から聞こえる織機の音が、この街の一日を告げる。

人口26万2千人を擁する同市は、共和国の政治と商業の中心地である。街の北には議事堂の丸屋根が望まれ、南には古くからの市場が広がる。新しい官庁の建物と、幾代も受け継がれてきた染織工房が隣り合う街並みには、この国の歩んできた歴史が刻まれている。

布一枚に刻まれる職人の技

市の南門から続く織場通りは、テキシャでも指折りの商業街である。店先に積まれた反物は、深い藍、鮮やかな朱、草木染めの黄など多彩だ。なかでもテキシャ藍は、洗うほどに色合いが深まるといわれ、共和国を代表する織物として珍重されている。

通りの一角で三代続く染物商を営む老人は、布の端を指で擦りながら語った。

「安い布なら、どこでも織れる。だが、十年使ってなお美しい布を作るには、十年では足りんのです」

染織は単なる商売ではない。工房では親から子へと技が受け継がれ、染料の調合や織り方は家ごとに異なる。古い家では、嫁入り道具として母親が織った布を持たせる習わしも残っているという。

珈琲一杯から始まる商談

織場通りの角には、小さな喫茶店「朝の紙面」がある。早朝から開くこの店には、織物商や職人、荷運び人たちが集まり、濃い珈琲を飲みながらその日の相場や注文の話を交わす。

店主によれば、かつては商談の大半がこの店の卓上でまとまったという。

「布の値段は市場で決まるが、誰に売るかは珈琲を飲みながら決まるんですよ」

珈琲豆を細かく挽き、真鍮の小鍋で煮出すのがテキシャ流。小さな杯でゆっくり味わう濃厚な一杯は、商人たちにとって仕事の始まりを告げる欠かせない習慣となっている。

夏の染織市、街を彩る

毎年夏には、織場通りを中心に大規模な染織市が開かれる。共和国各地から職人や商人が集まり、通りには幾百もの布が吊るされる。

市の呼び物は、職人たちが技を競う「一反競織」である。決められた時間内に織り上げた布について、速さだけでなく、模様の美しさや織り目の揃い具合を審査する。優勝者には銀の杼(ひ)が贈られ、その名は翌年の市まで職人たちの語り草となる。

祭りの日には議事堂前の広場にも露店が並び、夜遅くまで音楽と人々の笑い声が絶えないという。

北方に戦火、それでも織機は止まらず

テキスタン共和国は現在、戦争には参加していない。しかし、北方で友好国の黄砂同盟と緑丘公国が開戦したことは、首都の商人たちにも小さくない関心を呼んでいる。

織場通りの商人たちは、北方への物流が滞ることを案じる一方、今のところ店を閉める動きは見られない。

「戦争になれば布は売れなくなるとも、逆によく売れるともいう。だが、注文が来た時に品物がなければ商売にならんでしょう」

そう話す若い織物商の背後では、職人たちが黙々と反物を畳んでいた。

共和国全体では働き手の不足が約2万1千人に達している。染織業でも若い職人の確保は容易ではなく、伝統の技を次の世代へどう伝えるかが課題となっている。

山あいの都に夕暮れが近づくと、織場通りの店々は一軒、また一軒と戸を閉め始める。だが、通りの奥の工房からは、なお規則正しい織機の音が聞こえていた。

織場通りを歩く

市の南門から織場通りへ入り、染物店や工房の並ぶ石畳を北へ進むと、議事堂の広場に至る。途中に喫茶「朝の紙面」があり、午前中は商人と職人の往来でにぎわう。夏には一反競織が開かれる。

豆の平焼きと濃い珈琲

朝は、豆を練り込んだ平焼きと、豆を細かく挽いて真鍮の小鍋で煮出す濃い珈琲。甘い茶は夕方。肉には香辛料を多くする。

テキシャの概要
人口26万2千人
兵力2万人
働き手の不足約2万1千人
食料70.64万トン
資金8,122億円
天候曇り
戦争していない
周囲森が少し広がった

次回の国

狐っ娘の尻尾教団。

広告 真鍮の珈琲鍋と一杯

朝の紙面

誰に売るかは、この一杯で。

テキシャ、織場通りの角。豆を細かく挽き、真鍮の鍋で煮出す濃い珈琲。朝から開く。

織場通りの角

広告 織り目の見える藍の布

藍一筋

洗うほど、藍は深くなる。

織場通りの染屋。テキシャ藍の反物だけ。端を指で見てから、切る。

南門から織場通り

文化文芸と街の話題10

夏の夜を彩る「雪灯り」 天都の食堂に集う人々

冷たい麦茶と温かな煮込み 戦火遠き都に穏やかな時間

泰平天国の首都・天都では、夏の夕暮れとともに食堂「雪灯り」の暖簾が上がる。店先に吊るされた小さな灯籠に火がともるころ、仕事帰りの職人や商人たちが三々五々集まり、冷たい麦茶で一日の疲れを癒やす。

名物は根菜と塩漬け肉をじっくり煮込んだ「雪灯り鍋」。夏でも温かいものを食べるのが、この店の昔からの習わしだ。厨房では大鍋から湯気が立ち上り、店内には肉と野菜の香りが漂う。

「暑い日に熱い鍋とは妙でしょう。でも、これを食べないと一日が終わった気がしないんです」

常連客の一人はそう笑う。

南のほうでは新たな戦争が始まり、各地から物騒な知らせが届く。それでも天都の夜は普段と変わらない。隣の卓では商人が布の値を語り、窓際では若い学生が書物を広げている。

店の片隅には、誰でも自由に読める新聞や小説が積まれている。食事を終えてもすぐに帰らず、次の一篇を読みふける客は少なくない。店主も急かすことはなく、空になった茶碗に麦茶を注いで回る。

夜が更け、最後の客が本を閉じるまで、「雪灯り」の灯は消えない。

書評『雨の織場』

戦火の外で続く、ささやかな労働の日々

テキスタン共和国の首都テキシャを舞台にした短編小説である。

主人公は染織工房で働く若い職人。雨続きで布が乾かず、注文の納期が迫るなか、工房の人々は互いに知恵を出し合って仕事を続ける。

作者は劇的な事件を用意しない。描かれるのは、染料の調合をめぐる言い争いや、客との値段交渉、夕暮れの工房で交わされる何気ない会話ばかりである。

しかし、そこにこそ本作の魅力がある。戦争の報道が紙面を埋める今日、名もなき職人たちが一枚の布を織り上げるまでの苦労が、かえって新鮮に映る。

なかでも印象的なのは、老職人が若い弟子に語る一節だ。

「布は急いで織れても、腕は急いでは育たない」

短いながらも、働くことの誇りと、人から人へ技を伝えることの尊さを静かに問いかける佳作である。

水を受け取る

砲声の止んだ通りで
コップが一つ、手から手へ渡る。
老人は何も言わず、
兵士は黙って水を飲む。
窓の布が、風に揺れる。
誰もまだ、銃を置かない。

各地の短信

天都の書店街、夜間営業が好評

泰平天国の首都天都では、夕涼みを兼ねて書店を訪れる市民が増えている。店先に灯りを並べて夜遅くまで営業する書店もあり、読書好きの若者たちでにぎわっている。

編集後記

プライムの街頭では歓声が上がり、ネルヴェナの岸では人が荷物を抱えて離れていく。同じ号で、テキシャの織場では職人が布を織り、天都の食堂には仕事帰りの客が集まっていた。戦火の行方を追うことも新聞の務めだが、そこで暮らす人々の営みも、この号では書き残した。